去り行く夏に「Summertime」三昧──ハイフェッツからマイルスまで

porgy and bess 夏も終りなので昨日から「Summertime」を、まとめ聞き(笑)している。夏の終りに、気怠く物悲しいこのメロディはよく似合う。
 
 もうクーラーを使うこともないだろうと今日は朝からクーラー全開。ささやかな贅沢。
 黒ビールを飲みつつ。

 ジョージ・ガーシュインの名曲。もともとはミュージカル。映画化されて「Porgy and Bess」。オープニングは、このメロディから。でも今は歌を聴く気はないのでサラ・ヴォーンはパス。

 CD棚から好きなモノをいくつか並べてみる。



heifetz まずは渋いところでハイフェッツ。ロシア生まれの天才の中の天才。
 Complete Collectionに入っている。

 夏の日のヴィオロンの溜め息。

 いろいろな楽器を好きになればなるほどViolinの深さがわかってくる。









Sidney Bechet 次いで、Sidney Bechet。
 Bechet(ベシェ)はこの曲をヒットさせて有名になった。
 ソプラノサックスがせつなく歌いあげる。

 正統派で歌いあげるこのメロは圧巻。テディ・バンのギターとの絡みが絶品。

 ところで彼の名Bechetだが、クレオール(仏系)なので、英語風な「ベチェット」のトの発音はない。英語でも呑みこむ音だが。
 かといって日本のジャズファンが強固に主張する「ベシェ」とも思わない。現地での発音は「ブゥシェッ」ぐらいだ。

 そもそも外国語を日本のカタカナで完全に再現するのは不可能なのであり、そういうことにこだわるひとを見ると、くだらんなと思う。外国人の名は該当する外国文字でしか表現できない。



barney kessel ギター代表で、バーニー・ケッセル。モントルーのライブ。
 テンポが早くリズミカル。

 ここまで来ると映画やミュージカルとは別の世界。いわゆる「曲がひとり歩き」を始めている。バーニーのギターはさすが。










chetbaker summertime トランペット代表でチェット・ベイカー。
 なんとも、モダンジャズらしいテンポ。
 あっさり風味がいい。

 一部に熱狂的なファンをもつ、このひとのネトっとした歌を、私は好きではない(笑)。









coltrane summertime 大傑作アルバム「My Favorite Things」からコルトレーン。
 しかしもうこれは吹きすぎだよなあ。ドラッグでイッチャッテル音楽だ。まさに音のシャワー。コルトレーンしか出来ない音楽。
 マリファナでもやりながら聞いたら最高だろうが……。

 むかしはその圧倒的技倆からすなおに尊敬していたバードとコルトレーンだが、このごろすこし感覚が変ってきた。肉好きが魚好きになるようなものか。







sonnyrollins summertime コルトレーンを出したら巨人のロリンズも出さないと。「The Complete RCA Victor Recordings」から。

 吹きまくるコルトレーンとは逆に、なんだかロリンズは、おとなしいSummertime。でもそれがまたいい。










joe henderson テナーサックスのジョー・ヘンダーソンはサンババージョン。
 1997年だから比較的あたらしい録音。原曲をかなりくずして好き放題にあそんでいる。こういう愉しいのを聞くと、あらためてまたBechetのシンプルなのが恋しくなるのがおもしろい。











mccoy tyner ピアノ代表でMcCoy Tyner。
 タイナーはこの曲が好きなのかいくつものテイクがある。
 私はこの「Bon Voyage」のが好き。












oscar peterson ピアノと言ったら大好きなオスカー・ピーターソンを入れておかないと。
 この「Plays The George Gershwin Song Book」は、きれいにまとまった佳作だ。オスカーが弾きまくることなく抑えているのがいい。ガーシュインへの敬意か。











George Shearing Summertime ピアノでもうひとり、George Shearing。いかにも白人らしいクールジャズ。盲目のピアニスト。シアリングらしい、ゆったりとした弾き語りタイプのSummertime。












charley mingus ベース代表でCharie Mingus。人種差別と闘った反骨の闘士。
 でも女房は一人目も二人目も白人。それって劣等感の裏返し?

 気難しい人間性が音楽にもあらわれている。音楽性の高さからマニアには絶大な人気を誇るが私はさほどfavoriteではない。リスナーを楽しませるというよりも自身の音楽を追究したタイプ。









jimmysmith summertime オルガンだったらJimmy Smith。煖炉の火のように暖かいスミスのオルガンは私には夏ではなく冬の定番。アルバム「Jazz Profile」から。

 でもせつないメロディを吹きあげる主役はアルトサックスのLou Donaldson。オルガンはこんなタイプの曲では主役を張れない、のかな。










miles summertime いちばん好きなのはやっぱりこれ。マイルス。
 ミュート・トランペットがたまらん。
 このひとのリリシズムは永遠。












Folder 「こんなのもありますよ」と、ひとひねりしたものでは、もうすぐメンバーのひとりが新党の党首になるという旬なYMO(笑)。

 しかし真面目な話、聞く気にならんのでパス。
 やはり役者とかミュージシャンが極端な思想に走るのはよくないな。

 いや、走る気持ちはよく解る。アメリカにも多い。ドン・ヘンリー(イーグルス)のあまりの民主党贔屓にうんざりして聞く気を失くしたものだった。アメリカのミュージシャンはみな民主党支持。共和党支持はカントリー系(日本で言うなら演歌だ)のみ。
 日米の歴史をすこし勉強すればわかるが、日本に一貫してひどいことをしてきたのは民主党だ。 

 三年前の選挙のときは日本でも多くのミュージシャン、芸術家が民主党支持を表明した(笑)。挌闘家の前田日明まで。



 坂本の場合も、YMOの坂本龍一がサヨクに走ったのではなく、サヨクの坂本龍一がYMOに参加したのだった。一貫性はある。彼は高校生の時からデモに参加するサヨクだった。

 そう解っていても、どっちらけで聞く気にならないのも確か。むずかしいね。
 でも逆に今回のことで「ますます好きになった」ってひともいるんだろうからバランスはとれている。



 歌物でもっているのは、サラ・ヴォーン。これは正統派。「歌唱サマータイム」と言ったら真っ先にこのひと。
 私の永遠の歌姫ビリー・ホリデイ。古いから音がわるいけど、彼女の場合はそれを凌ぐ天分が酔わせる。
 なにをやっても天才のポール・マッカートニー。これはロック調のSummertimeでなかなか。
 デンマークからセシリア・ノービーの歌声。はまるひとも多いらしい。

 ハービー・ハンコックをバックにジョニ・ミッチェル。いつ聞いてもたまらない気持ちになる。

herbie hancock












 日本人では森田葉月、七月姉妹。



 夏が終り秋になれば「枯葉」の季節。晩秋には保っている限りの「枯葉」でも並べてみるか。ベストワンはマイルスに決まっているが。

 近年のものではクラプトンにノックアウトされた。いろんな解釈がある。まったく、まさかクラプトンの「枯葉」に酔うとは、いや、クラプトンが「枯葉」をやるとは……。

 画像のすくないブログなので、たまにはこうやってジャケットを並べると美的にもいい。
 すげえ面倒な作業だったので半年に一度でいいや。つかれた(笑)。

 それでも、詮ないことをツイッターで垂れながすよりはましと思っている。あれを見ているとやたら痰を吐くシナ人を思い出す。いくら痰を吐いても、それが湖になるわけでもなく。
 ブログを書くことが荒れ地に毎日バケツ一杯の水を撒くようなことだとしても、ツイッターよりは生産性?があると信じている。

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【追記】──Summertimeだけを集めたオムニバスCDがあるのだとか 8/27

 「Summertime」だけを14曲集めたオムニバスCDがあると知る。でもなにが入っているか(なにが入ってないか)まではわからなかった。いちばん古い(1939年)Bechetのものは入ってないとか。
 奇しくも私がここに並べたのも器楽曲14曲だった。その他で歌物が6曲。
 
 しかしいくら「Summertime」が名曲であり、大好きでも、私は、それだけを14曲集めたCDを買う気はない。今回のこれも年に一度の遊びだからやってみただけで。

 音楽をあれこれ聞いていたらいつしかこれぐらい集まっていた、でいいのではないか。
 ほんとに名曲だから、そういうアルバムを出してみようという発想はわかるけど。そのアルバム、売れたのだろうか。

 この「Summertime」を器楽曲、歌、あわせて20曲もっているというのは、何十年もかかって作りあげた私の「宝物」なのだが、 今の時代、これらのほとんどはYouTubeで聴けるだろう。聴けないのもいくつかあると思うが、どうかな?

 なんともはや、すごい時代である。 かといって私の「宝物」が色褪せるわけではないが。
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  1. 2012/08/26(日) 10:28:19|
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