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相撲話──大鵬の思い出⑨──大鵬夫人スキャンダル考

 大鵬は敗戦後、樺太から北海道へ引きあげるとき、九死に一生を得ている。本来降船予定ではない港で降りた。そのあと船はソ連の潜水艦の魚雷で沈没させられている。多数の犠牲者が出た。途中降船しなかったら死んでいた。ここでの強運。

 そして史上最年少での横綱。双葉山の連勝記録以外あらゆる記録を塗りかえた華々しい横綱時代。努力も天分もあったろうが、ここでもまた運が味方したのも事実だろう。

 後援会からの紹介で美人娘と結婚し子宝にも恵まれた。
 引退後も、主流の出羽一門ではなかったのに、早くも35歳で役員になっている。その手腕も認められた。



 すべてにおいて順風満帆だった人生がいきなり暗転する。37歳での脳梗塞である。あの大鵬が半身麻痺となり、車イスのひとになってしまった。表に出ることなく、リハビリの日々が続く。

 ひとの運の総量は、ひとによってちがう。
 神様にあいされた大鵬の運の総量は、ふつうのひとの何倍もあったろう。
 だがそれを、幼いときの命を救うことと、力士時代の華やかな活躍にぜんぶ使ってしまったから、37歳の時にそれが尽きてしまったのではないか。

 私にはそんなふうに思える。



 部屋を継がせた娘婿の大嶽親方(貴闘力)が野球賭博で角界追放になったり、スキャンダルはいくつかあったが、最もせつなくなったのが「奥さんの弟子喰い」だった。

 大鵬が脳梗塞で倒れ不能になったとき、7歳年下の奥さんはまだ29歳。それから長年空閨を保つのは苦しかったのだろう。それから20年後、「弟子喰い」が週刊誌記事になった。これはそれを探って記事にしたというより、あまりに有名な噂として相撲界に長年流れていたのを取りあげた記事だった。極秘のことをすっぱぬいた感覚ではない。

 奥さんが弟子をラブホテルに呼びだすラブレターまがいの手紙まで流出した。弟子はそれを苦痛と思っていた。セクハラである。実際に関係を持っていた弟子から流出したし、筆蹟からなにから逃げようがない。奥さんもそれが自分の書いたものであることまでは認めた。そのあとは「冗談で書いたのであり、その後の行為はない」と否定したが、それで通じるはずもない。ひとりやふたりではなかったし……。



 半身不随で動けない大鵬は、奥さんにテニスボールを転がしてもらい、それを拾うリハビリをした。それはかつてのあの大鵬を知っているひとには信じがたい光景だったろう。奥さんはそんな大鵬のリハビリにしんぼう強くつき合った。

 体調不良で入院し、ほんの数日で大鵬は急逝してしまう。死の二日前には白鵬が見舞いに訪れ、会話したというから、ほんとに急逝だったのだろう。

 奥さんがこの数日の入院のことを語っていた。毎晩何度も電話を掛けてきて、「だいすきだよ」と言うのだとか。
それはきっとほんとだ。大鵬が奥さんをあいしていたことも、奥さんが大鵬をあいしていたことも、本当だ。そしてまた奥さんが弟子喰いをしたのも……。なんともそこのところがせつなくてたまらない。

 すでに離婚し、亭主は鬼籍に入っている、かつては〝理想の一家〟の象徴だった藤田憲子がピース綾部と何をしようとどうでもいいが……。

 前記したように、全盛時の独身大鵬の宿舎には順番を待つ女の列が出来た。やり放題だった。その時点で大鵬は同い年の男より、遥かに多くの女を知り、多くの回数をこなしていたろう。
 だが37歳で不能になったことを考えれば、〝通算〟では、たいした数字ではない。こんなことにも神の配分を思う。20代の大鵬が好き放題にやりまくれたのは、37歳で不能になることが前提だったような……。



 最後に、毎度触れる「立ち合い」のこと。
 むかしの相撲を見るとうんざりする。この時期の立ち合いは、みな手を突かない。ひどいものである。

 特にひどいのが北の湖時代だ。みな中腰で立っている。あれでは稽古場のぶつかり稽古の延長である。これでは下位力士の変化が通じない。
 はたき込みや八艘跳びのような変化技は使いようがない。あれは仕切り線に両手をついて立つから出来ることであって、中腰で立つ相手に通じるはずもない。

 大鵬の時代も、北の湖時代よりはいくからましだが、いまの正しい立ち合いと比べたら、とんでもなくひどい。
 その意味でも、「むかしはよかった」ではなく、やはり今がいちばん正しいと思う。

 連勝に関しては、大鵬よりも千代の富士よりも、「いまの立ち合い」である白鵬のほうが価値がある。



 そういう「むかし礼讃=あのころはよかった」感覚が一切ない私だけど、だからこそ、「あなたが見た力士で、いちばん強いと思うのは誰ですか」と問われたら、迷うことなく大鵬の名を挙げる。

 こどものころからずっと私は、強い力士が登場すると、常に大鵬を基準に考えていた。「大鵬と比べてどうか」と。栃若時代から知っているが、柏鵬時代の味わいはまたちがっていた。あれはたしかな「あたらしい時代」だった。
 大鵬ほど強い力士はいない。時を時代を超えている。

 やすらかにお眠りください。合掌。(「大鵬の思い出」完)
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