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相撲話──大鵬の思い出⑧──大鵬の32回、千代の富士の31回③──千代の富士に32回目の優勝をさせなかった角界の誠意

●大鵬の思い出⑧──千代の富士の32回を許さなかった力

onokuni その世界に君臨し、すべてを談合で仕切り、金の流通する経済効果から支持され、怖いもののない千代の富士は、次々と記録を作って行く。大鵬の45連勝を凌ぐ53連勝を記録する。これを止めたのはガチンコ横綱大乃国だった。53連勝の内、ガチンコは20ぐらいと言われている。

 しかしここでまた、ガチンコでの勝利数が20なら、あとは33敗なのかとはならないことは前記したとおりである。ぜんぶガチンコでも、千代の富士は50勝3敗ぐらいだったかもしれない。強いのである。

 だがそれでは連勝記録にはならない。千代の富士は「連勝記録を作る」と決めた。そのためにはひとつも負けるわけには行かない。ガチンコで来る奴も何人かいるから、全力でそいつを負かすために、買える星はあらかじめぜんぶ買っておく。それが千代の富士の生きかたである。

 もしもガチンコ横綱大乃国がいなかったら、千代の富士は双葉山の69連勝を凌ぐつもりだった。凌げたろう。ガチンコ力士がいてくれて、本当によかった。
 いたとしても、弱くて勝てないのでは意味がない。談合連勝をストップした大乃国の存在は貴重である。千代の富士は強い。しかし談合横綱でもあった。
 そういう千代の富士がなぜ支持されたかは、高度経済成長によって支持されていた自民党を思いうかべるとわかりやすい。 景気さえ良ければ、ひとは時の政府を支持する。相撲界もまた同じく。


 双葉山の69連勝を越える目的は大乃国によって止められてしまった。でも前人未到の1000勝の記録を作った。優勝は31回になった。
 
  じゃ次は大鵬の32回を越える優勝回数である。やったるでえ、というところで、やっと──ほんとにやっと、である──談合横綱の遣りたい放題に対する憤懣が噴出した。それは大鵬を信奉する親方連中から出た。

 未来の理事長は確実だった大鵬は三十代で脳梗塞に倒れ、麻痺の残る躰で不自由な生活を送っていた。華々しいしい現役時代と比べ、引退後の不運は目を覆うばかりだった。
 二所一門連合稽古の先頭に立ち、ちぎっては投げちぎっては投げという鬼神のごとき強さであった大鵬の強さを躰で感じてきた連中は、千代の富士の好き放題の権力を苦々しく思っていた。しかしそれによって金が流通し、相撲景気がいいのだから文句は言えない。

 しかしやっとここに来て、真に強かったあの大鵬の32回をも談合横綱の千代の富士が越えるのは許せんと立ち上がった連中がいた。ずいぶんと遅いが、千代の富士首相の経済政策で相撲国の景気が良かったのは確かだったから、誰も文句は言えなかった。

※ 

kaiketsu その先頭となったのは、ガチンコ横綱大乃国の師匠であり、自身もガチンコ大関だった放駒親方(元大関魁傑)だった。大鵬がいかに強かったかは、二所一門の連合稽古で、赤子のように扱われ、問題にされなかった自分の躰が知っている。真に強い大鵬の記録を、連勝までは目を瞑ってきたが、優勝回数まで談合横綱に抜かれることには我慢がならなかった。
 
 目指す記録はそれだけになっていた談合横綱は、それだけは許さんという周囲の圧力から、さすがにそれは断念する。目的がなくなり急速に気力が減衰する。まもなく引退した。
 逆にこれで男を上げた放駒は後に理事長になるほど出世する。


 大鵬の最後の優勝、32回目は仕組まれたものだったと知ったとき、私はそれに落胆するのではなく、むしろ感激をあらたにした。それでこそ相撲界だと思った。
 同じように、私は、魁傑が先頭に立って千代の富士のインチキ優勝32回、33回を阻止したとき、相撲界の正義を感じて安堵した。聖域は必要だ。

 世の中には「やってはならないこと」がある。私にとってそれは、大鵬が八百長で32回目の優勝をすることではなく、談合横綱の千代の富士が、その記録を超えることだった。

 本来「八百長」とは、囲碁の強い八百屋の長さんが、摂待として自分より弱い相手に負けてやることである。だから「八百長」ということばを使うなら、日の出の勢いの玉の海が落日の大鵬に負けてやったのが八百長であり、かなりの確率で勝てるのだが、万が一を思って金を渡し、負けるように言いふくめておく手法の千代の富士のやったことは、「八百長」ということばとはちがってくることになる。ことばを当てるなら、やはり「談合」だろう。


taihoushi 大鵬が亡くなった翌日、スポーツ紙は一斉に一面で特集した。多くの有名人、好角家がコメントを寄せていたが、感動的だったのは、素人のそれではなく、北の富士や放駒ら元力士の大鵬絶讃だった。

 誰もが「あんなすごいひとはいない」とベタボメだった。力士は自分に自信を持っているから他者を絶讃はしない。褒めるにしてもそこには儀礼が見える。まして北の富士は、それなりに時代を築いた横綱であり、さらには横綱ふたりを育てた名伯楽でもある。だが大鵬絶讃のことばに、そんなてらいはなかった。誰がもいかに強いひとであったかと、驚異の強さを讃えていた。別格なのである。

※ 

 唯一、テレビラジオ等で、「すべてを更新した親方でも、優勝回数だけは1回届きませんでしたね」と話し掛けられるたび、「32回と31回の差、これが大きいんですよ」と一見謙虚な言いかたをしつつも、言外に「そんなこと簡単に出来たのに、みんなでじゃましやがって」と口惜しさを滲ませて語る千代の富士だけが異質だった。

 このひと、理事長になるような器ではない。ただ人望はないが、順序的にしかたないか、という流れはある。弟横綱の北勝海のほうが遥かに人望はあるが、彼は兄弟子を堕とすようなことはしないだろう。
 北の湖の次は貴乃花に飛ばした方がいい。そのほうが相撲界のためだ。天国の大鵬もそう思っていることだろう。(続く)
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  1. 2013/02/09(土) 05:00:34|
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