立川談志の死──立川談志カール・ゴッチ論──北朝鮮拉致被害者に対する暴言の記録

立川談志が亡くなったらしい。大相撲を見ているとき、中断の5時のニュースで知った。これからしばらくマスコミは追悼と絶賛が続くだろう。明日のワイドショーなどは一色か。
私の談志(と亡くなった日だからこそ呼び捨てが優れた芸人に対する敬意ですよね)に関する想いは、ホームページに今までたっぷりと書いてきたので、ここでは省く。興味のあるかたはここに書いてあるので読んでください。

ひとことで言うと、私は立川談志という落語家を礼讃はしていない。志ん生はもちろん志ん朝とも比ぶべくもない。でも「落語評論家」としては日本一だと思っている。談志ほど落語を真剣に考え理論化したひとはいない。彼の落語CDはぜんぶもっているが「五大落語家論」がいちばん好きだ。

落語よりも百倍詳しいプロレスで例えると、私の感覚では、立川談志はカール・ゴッチになる。この比喩に新日ファンの落語好きは大喜びするのか。プロレスの神様カール・ゴッチの〝神様〟だと。まああれはゴッチぐらいしか招聘できない猪木が無理矢理作った大嘘だが。

ミスター・プロレスはルー・テーズである。最高に強くてかっこよく、適度に弱い奴にもブックなら負けてやり、逆らってくる生意気な奴はバックドロップで泡を吹かせる。何でもできる真の最強レスラーでありチャンピオンだ。すなわち志ん生である。談志は志ん生のようなチャンピオンになれず、不器用な「ほんとなら俺が一番強い」とふて腐れているゴッチである。

志ん生に対する憧れ、志ん朝に対するコンプレックスにも、それがよく現れている。王様と王子さまに対する平民の悔しさだ。

高座で寝てしまい、客が「そのままにしといてやろうよ」と寝てるのを見守ってもらえた志ん生。
自分の落語の時に寝た客を寄席からつまみだし、裁判ざたになった談志。

談志というひとの落語、生きざま、主張、すべてカール・ゴッチのように思える。上記、「自分の落語の時に寝た客と裁判沙汰」なんてのは、WWWFのチャンプだった“ネイチュアボーイ”バディ・ロジャースを控え室で殴ったゴッチに通じる。ゴッチを神様にしている日本人は「実力のない人気だけの奴に焼きを入れた」という「ちょっといい話」にしているが、こんなのは売れない芸人が人気者に嫉妬しただけの暴力事件だ。当時ニューヨークで活躍していた馬場は、ロジャースがいかに華やかでスターとしてのオーラをもっていたかを証言している。ゴッチを慕う弟子も前田日明とか、そのへんの流れも談志とよく似ている。談志も前田も「生涯欲求不満」ということで共通する。

談志が死んで、その感覚を最もよく引き継いでいる芸人は太田光か。ふたりは仲がよかった。顔も所作もよく似ている。太田は談志を尊敬し、談志は大田をかわいがっていた。談志は「爆笑問題の片方は俺の隠し子」という冗談を好んだ。私はふたりとも大嫌いだ(笑)。大田の憲法9条に関する発言を読んだりすると吐き気がする。



落語家・立川談志が生前、「北朝鮮拉致被害者」に対してどのような意見を吐いていたか。以下にまとめて書いた。2002年11月のものだ。

これからしばらくはマスコミでは「立川談志さん哀悼と絶讃」が続く。
それとは別に、こういう発言をしていた、この程度の人間であることも、よく確認して欲しい。

北朝鮮被害者に関する立川談志のとんでも発言──2002年11月

これが載ったのは談志のサイトだった。今はもう削除されてしまい目にすることは出来ないが、これが立川談志というひとの基本である。落語以外ではこの程度の男である。
これも抗議されたから削除しただけで、もちろん謝罪なんてしていない。あまりにお粗末だ。どんなに落語が巧かろうとまともな人間とは思えない。こども時代から50年ぐらい見ているが、むかしから粋がって発言するたび、こんな的外れなのばかりだった。しみじみたいしたもんじゃないと思う。談志を崇拝している人間でまともなのにあったことがない。ついでにカール・ゴッチ崇拝者のプロレスファンもろくなもんじゃない。

明日からスポーツ紙、芸能記事、テレビのワイドショー、みな「立川談志師匠追悼一色」になるだろう。私は「立川談志的ひねくれ者」として、彼のこの「とんでも発言」を強く主張してゆきたい。

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附記 11/24──ワイドショーふたつ──みのもんたとミヤネ屋

私の生活は午後9時就寝、午前3時起床。3時からPCに向かっていて、時計を見たらちょうど5時半だった。みのもんたの番組が始まるなと点けてみた。11月6日にテレビのある生活に復帰してから初めてだ。ちょうど5時半に時計に目がいったのもなにかの縁だろう。以前はよくこんな形で5時半から30分ぐらいこの番組を見ていた。ひといきつきたくなる時間なのだ。3時間のロングワイドショーだが、1時間を3回繰り返すだけなので、すこし見れば全体が見える。「8時またぎ」と銘打って7時40分ぐらいから8時20分ぐらいまでやる大ネタ(これはうまい手法だ。8時から始まる他局のモーニングショーへチャンネルを替えさせない作戦)は、ゲストに興味があったらその時間にまた点ければいい。

案の定オープニングはみのの談志との想い出話だった。昼間から酒を勧められ、「イヤ、時間が」と言ったら、「あんたは時間で酒を飲む飲まないを決めるの? 時間と酒は関係ないだろ」と絡まれた話。私も24時間飲みたいときに飲むので談志の意見はよくわかる。ひとさまが起きだして朝飯食って出勤するような時間に風呂に入って酒を飲むのは楽しい。もちろん生番組が控えていて飲めなかったみのの気持ちもわかるけど。

みのの想い出話自体はおもしろいのでまだ見たい気もあったが、この種の番組ではよくあるように、談志のだの字も知らないような(いや、ようなじゃなくてほんとに知らないな)若い女子アナが、いかにも悲しくてならないという感じの殊勝な顔で打つ「ほんとに」「ええ」「すごいかたでしたよね」なんて相槌が煩わしくて消した。なにが「すごいかたでした」だ。演目ひとつ聞いたことがないくせに。
見たのは5分ぐらいだったか。私は談志崇拝者ではないけれど、長年見てきた落語家として彼の死を悼んでいる。そんな私にはこういう女子アナは不愉快で見ていられなかった。こういう浅い演技が視聴者を不快にすることに気づかないのだろうか。というか、視聴者のほとんども同じようなものか。



午後、こたつをセットした。そろそろやらないとと懸案だった。まだ火はいれないけど、とりあえずの冬支度。いい天気で、秋の陽光が差し込む私の部屋は温室のよう。ホットカーペットを敷くのに掃除機を掛けたりしたら汗ビッショリになった。ティーシャツ一枚になる。ほんとにこの部屋は暖かい。夏は地獄だが。

そのとき、ちょうどまた偶然に午後2時ぴったりだったのでミヤネ屋をつけると、木久蔵が談志を語っていた。ミヤネ屋を見るのも7月24日以降初めて。
これは1分ぐらい見て、すぐに消した。談志や木久蔵の好き嫌いとは関係なく、この種の訃報に関するワンパターンはつまらない。「××にいるときに、△△さんから電話があって、それで知りました。おどろいて、ウンヌン」。

きついことを書いたので、ここに来て気分を害した談志ファンもいるだろうが、私は彼のCD全集もぜんぶもっているし、著書も、弟子たちの書いたものも含めて99%読んでいる。談志が企画立案し、自身で司会をしていた『笑点』も初回から見ている。後に不仲になり縁を切るので談志は『笑点』をボロクソに言うようになる。スタンダップコメディアンとして語っていた談志も見ている。距離をおいた50年だが、ここ何年かで談志のファンになり、弟子でもないのに談志を「家元」なんて呼んでいる半端な談志ファンよりはよほど談志を見てきた自信はある。

ただし肝腎の寄席は、彼が「立川流で独立してから」は見ていないので、そこのところは弱い。立川流で独立してからは、生の高座には接していない。寄席で見ていたのはその前になる。
彼の弟子筋もCDでは聞いているし著書も呼んでいるが高座は見ていない。そもそも私はプラチナペーパーとか呼ばれるものには一切近寄らないから当然だ。落語なんて予約までして見にゆくものではない。気が向いた時ふらっと寄るのが寄席だ。上野鈴本や新宿末廣にもそんな気分ででかける。

今日はこれから晩酌の時、私なりに談志の噺を聞いて追悼しよう。DVDも6枚ほどもっているから、それを見るのが筋なのだろうが、私は彼のしゃがれ声の音曲は好きではないし、「演芸評論家としては日本一」と書いたことからも、CDの「立川談志のゆめの寄席」を聞こうと思う。

yumenoyose


これはいわゆる「わたしの選んだおもしろい落語 立川談志編」で、談志が自分の好きな先輩落語家の噺を紹介するものだ。談志は解説と進行を兼ねてしゃべっている。登場はほんのすこしだが、落語への愛情が感じられてすばらしい。本来なら談志の「芝浜」「文七元結」「らくだ」のような大ネタで偲ぶべきなのだろうが、わたしなりにこれにした。
それと一番好きな「五大落語家論」はやはり聞こう。志ん生や文楽への愛情があふれていて、何度聞いても楽しい。

談志が選挙に出た時、選挙カーで文楽の家の前を通りかかり、「黒門町の師匠、談志です。よろしくお願いします」と選挙カーからやったら、二階の窓を開けて文楽が顔を出し、「ようがす」と言ったって話はいつ聞いてもいい(笑)。

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【附記.2】 11/25──東スポの「談志に隠し子騒動」

金曜土曜だけ東スポを買う。競馬の馬柱を見るために。
11月25日の夕方。金曜版の一面に「談志に隠し子騒動!」。
あれだけのひとだからいて当然だ。
と興味津々で読んだら、なんと上に書いた爆笑問題の太田光のこと。
あいかわらずの東スポだ。他にネタはなかったのか。
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