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選挙番組考──テレ東・池上彰の姿勢は絶讃に価するものなのか?──私にはテンション上げすぎのすべった芸人にしか思えないのだが

tv.gif ネットにテレ東の池上彰の映像が数多くアップされている。
その中のひとつ、togetterのこういうのを見た。私もこの部分をリアルタイムで見ていた。

 私はそのときも池上の「すべっているやる気満々」に苦いものを感じたが、今回見直して、やはり同じ事を感じた。
 しかしここに集ったひとたち(たぶん大多数は若者)は池上を大絶賛し、「ここまでやったら池上さんの身が心配だ」「よくぞやってくれた」と誉めまくっている。ずいぶんと浅い感覚である。



 ここにある映像。石原慎太郎への「自民党との連繋はあり得るか」という質問。石原は是々非々だと応え、持論を展開する。
 中央の官僚の規制がいかに強いかを語り、
「たとえば、日本の会計制度、こんなバカなことをやってるのは世界で日本しかない、先進国でね。やってんのは北朝鮮とかパプアニューギニアとかフィリピンぐらいでね。こういう大福帳の粋を出ない制度を変えないと役人のインチキ、役人のごまかしを破れないんですよ。そういうことを今までどこの政党が示しましたか」

 待ってましたとばかりに池上がつっこむ。
「北朝鮮と同じようにほかの国を呼ぶこと、そういう呼び方をするから暴走老人と呼ばれると思うんですけれども」
「北朝鮮は北朝鮮じゃないの、なんて呼ぶの?」
「いや、そうじゃないんです、パプアニューギニアやフィリピンを北朝鮮と同じに扱うような言いかたをされると、暴走老人と言われるんじゃないかと」

「そうじゃないよ、あなた、ひとの話を聞きなさいよ、これはね、同じような単式簿記をやっている国ということで言ったの」
「そういうことですね、わかりました」
「そうですよ、ひとの話、ちゃんと聞きなさいよ」
「わかりました、失礼しました」



 ここまで明確に映像とことばが残っているのに、「池上先生、よくぞ言ってくれた!」とはしゃぐのはバカとしか思えない。池上は揚げ足を取ろうと見当違いの突っこみをして、石原にやりこめられ「失礼しました」と謝罪しているのである。

 石原が言ったのは「先進国なのに(いつ聞いてもイヤなことばだなあ、先進国ってのは。キリスト教用語だ)未だに単式簿記をやっている日本の愚かさ。そのことによる官僚のごまかしの弊害」である。
 そのことに池上が突っこむなら、視聴者から「さすが池上先生」と讃えられるなら、それは「単式簿記にはいいとこもいっぱいあります」のような意見でなければならない。だって論点は「単式簿記の国」なのだから。

 ところが池上が突っこんだのは、「未だに単式簿記の国の北朝鮮、パプアニューギニア、フィリピン」と言った石原に対する、「北朝鮮(という国家とも言えないとんでもなくひどい国)と、(まともな国である)パプアニューギニアやフィリピンを同列に取りあげるのは失礼だ」であり、その後に「そんなことをいうからあなたは暴走老人と言われるのだ」だった。
 池上が言いたかったのはこの後半である。重箱の隅をほじくる揚げ足取りにすぎない。そもそもの論点がずれている。これを「池上さん、よくぞ言ってくれた」とはしゃぐひとは……。

 石原が「未だに単式簿記のろくでもない国」ということを強調するために、最初に「北朝鮮」というろくでもない国の代表の名を挙げることは計算なのだろう。効果的ではあるがアブナイ要素もある。池上はうまくその揚げ足を取った。つもりだった。しかしまた池上の狙いは、「そんなことをいうからあなたは暴走老人と言われるのだ」で視聴者から拍手をもらうことである。果たしてこのやりとりでそれは成功したか。どう考えても失敗だろう。



 なぜ池上がこのようなことを言ったのかの推測も容易だ。
 前回の参院選開票速報番組で、テレ東は奇蹟的に「関東全局で視聴率1位」という快挙を成し遂げた。馬券で言うなら単勝万馬券である。とんでもない波瀾だった。テレ東は舞いあがり、立て役者である池上先生も舞いあがった。祝勝会は盛りあがったことだろう。その続きとして、今回もまた1位になりましょう、そのために、もっともっと過激にやりましょう、となった。

 ネットで見たが、画面右下に出る政治家のプロフィールに、くだらんことを書いて笑いをとっていたらしい。身長だとか、意外なオタク的な趣味だとか、所謂政治家のプロフィールとしてはどうでもいいことを書き、そのことによる「目立ち効果」を狙ったようだ。私はそこまで真剣に見なかったので気づかなかった。というか上記のような場面を見て不快でチャンネルを替えてしまった。



 前回の成功で池上も力が入っていた。スタッフと検討し、より過激な発言で注目を浴びようと画策する。このときにもう「政治家のプロフィールにはこんなのを入れようと思うんですよ」「あ、それ斬新だ。やりましょう」なんてやりとりもあったのだろう。

 そんな中、田中眞紀子の石原に対する誹謗発言であった〝暴走老人〟を逆手に取り、「どうも、暴走老人の石原です」とやって受けている石原を、「だからあなたは暴走老人と言われるんですよ」と面罵し、石原嫌いから拍手喝采を得ようという計算は生じていた。いわば「狙っている決め技」である。

 プロレスでも「猪木の相撃ちラリアート」に代表されるように、相手の得意技を返すのは衝撃的である。掟破りは最高に盛りあがる。
 池上は、なにかのタイミングで石原に「だからあなたは暴走老人と言われるんですよ」と言いきり、大向こう受けを狙っていた。

 その気持ちが逸りすぎ、この場面で出てしまった。もうすこし慎重に構え、石原が暴言を発したときに言えば、それはもっともっと受けたろう。だが単に国名を並べたときに言っては、「見当違いのイチャモン」でしかない。よって「失礼しました」と謝罪することになった。赤っ恥である。なぜこんなものを「池上さん、よくぞ言ってくれた!」とはしゃぐのか。石原に対してそう言ったことのみを評価していて、タイミングを間違え謝罪していることを理解していない。



 同じ頃、TBSでくりぃむしちゅーの上田晋也も同じような失敗を繰り返していた。
 私は彼はTBSの総合MCなのだと思っていた。そうじゃなかった。それはNHK出身のアナがきちんとやり、上田はゲストコメンテータに過ぎなかった。だからだろう、池上的なピリっと効いたコメントで存在価値を示さねばと思ったのか、同じく石原なんかに見当違いの突っこみをして、「くだらんことを言うんじゃないよ!」と叱られ、「大変失礼しました。深く謝罪いたします」とかなんとか、わざとらしく最敬礼してごまかしていた。これも見事に「すべった例」になる。私は上田が大好きだけど、この番組に関する限りダダすべりだった。ライブであり一発勝負だから選挙番組はむずかしい。

 見事なのは小泉進次郎だった。開票と同時に当確し、80%越えの得票を得た。上田の「次はもう総理大臣を狙ったらどうですか」という御調子者発言にも、「政治家はひとつの言葉が命取りになりますので」と口許を弛めることなく鄭重に応対し、ゆるがない。31歳の小泉のどっしりした態度が際立ち、そういう質問をニヤつきながらしている42歳上田の軽薄さが浮きあがっていた。

 メジャーになってからの上田は、すべてにおいて順風満帆だった。およそ失敗とか挫折とかは無縁だった。今回、意のままに行かない番組に出会ったことはいい勉強になったろう。
 TBSの上田の起用は、あきらかな失敗だった。

 テレ東池上のはしゃぎすぎやTBS上田のおおすべりが目立ち、なんだかごく当たり前に「開票速報はオーソドックスなのがいい」という結論になった今回の選挙番組だった。

---------------

 さて、そういう事実も「日刊ヒュンダイ」の記事になるとこうなる。

2012年12月21日 07:00 (ゲンダイネット)
 
浮かれる政治家連中タジタジ 池上彰「ジャーナリスト」の面目躍如

<視聴率8.6% 宗教、組織票、世襲もタブーなし>

「パプアニューギニアやフィリピンを北朝鮮と同じように呼ぶから“暴走老人”と呼ばれると思うのですがいかがですか」

「失敬だね、君は!」

 日本維新の会代表の石原慎太郎と生中継で丁々発止のやりとりを行い、気色ばませたのはジャーナリストの池上彰(62)。選挙戦当日、4時間半にわたって生放送されたテレビ東京「池上彰の総選挙ライブ」でのひとコマだ。

 しばらくして再び中継がつながった石原が、「先ほどはあなたと知らずに怒鳴ってすみませんでした」と謝罪。すると、「どうも石原さんは、相手によって態度を変えるようです」と視聴者に向けて“解説”する。視聴率は8.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と民放4位だが、ほかにも顔を引きつらせる質問を連発し、数字以上に大きなインパクトを残した。



 私が正確に再現した石原と池上のやりとりと、この「日刊ヒュンダイ」の最初の記事をよく比べて欲しい。マスコミはこういうふうに自分達に都合良く記事を書く、事実をねじ曲げるといういい例、いや典型的悪例になる。

 石原は「失敬だね、君は!」なんて気色ばんでいない。それは上の映像を見れば解る。「ひとの話をよく聞け」と言い、見当違いの突っこみを「失礼しました」と腰くだけで謝っているのは池上のほうである。

 その後しばらくしてのインタビューで、石原が「先程はあなたと知らず失礼した」と言ったのは事実である。恥を搔かしてしまったかと気を遣ったのだろう。
 それを受けて、石原との中継が終った後、「どうも石原さんは相手によって態度を変えるようです」と言った池上の顔は醜かった。先程恥を搔かされた相手に言い返してやるという内面の悪が見事に顔に出ていた。
 私は彼を、好きでもないし、嫌いでもないが、あの顔を見たら、誰でも引く。なんとも印象的なシーンだった。池上に限らず、憎い相手に憎しみの捨て台詞をぶつけるとき、ひとはあんな顔をするのだろう。



 ネットがやたら池上絶讃なので、このこともきちんと書いておきたい。
 池上は、個人的に親しいのか支持しているのか知らないが、民主党の岡田(副代表?)に対しては、なにもつっこまず、労るようなやりとりをしていた。不自然だった。「遠慮会釈のない突っこみ」なら、220から50に激減した岡田にこそ発揮して欲しかったが……。

 公明党に関しても、ネットでは「公明党の候補ってみな創価学会員なんですか」という高校生の質問に応えたと話題になっていたが、一方で「公明党は脱創価学会の努力をしています」とか、公明党を庇うような発言も目立った。ほんとかよ(笑)。脱創価学会でどうやって公明党がやって行くんだ。



 テレ東がまたも1位かと夢見た視聴率は4位だったようだ。民放5局の中でか、いやNHKも加えた6局の順位か。いずれにせよ前回の1位は瞬時の夢として消えたことになる。それは当然だろう。今回のテレ東の池上彰の開票速報は、完全な「きわもの」だった。
 それはそれでいい。私が不快なのは、彼ら(池上とテレ東)に、その意識がなかったことだ。これはひじょうに恥ずかしい。きわものなのに「王道」と思っているのは滑稽だ。

 私は前回の参院選の時、池上のテレ東を中心に見た。斬新だった。おもしろかった。わかりやすかった。親切だった。視聴率1位を、心からよかったねと思った。よい番組を作ると、数字は正直なんだなと感激した。その私が、今回は不快で見ていられなかった。

 来夏の参院選もテレ東は池上で勝負するのだろう。どうなるのか。前々回の参院選の高視聴率を正面から見詰め、今回のはしゃぎすぎを反省し、原点に戻る賢さはあるだろうか。それとも、今回の見当違い敗戦を反省することなく、「ネットで受けた。もっと過激に」と、より脇道にそれて行くのか。



 元NHKのニュースキャスター池上彰が、フリーとなり、民放でMCを担当し、百年一日のごときワンパターンマンネリ選挙開票番組に新風を吹きこんだのは事実である。その功績も認める。
 だがそれに意を強くしてやった今回の番組が、讃えるに相当するものであるかと問われたら、私は即座に否定する。

 本来真面目なひとが、珍しく冗談を言ったら、キャクラターとの落差もあってバカ受けした。調子に乗った彼は自分にはお笑いのセンスがあると勘違いし、思いっ切り下ネタ漫談をした。一気に白けた。
 今回のテレ東の池上彰とは、私にはそんなものだった。
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  1. 2012/12/22(土) 06:19:16|
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