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将棋話──行方八段、A級昇級を決める──団鬼六さんのこと、比較ついでに山口瞳のこと

Shogi.gif 将棋B級1組の行方尚史八段が9戦全勝でA級昇級を決めた。残り3戦を残しているが次位が2敗であり、順位からも確定した。快挙である。

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2011年5月6日、団鬼六さんが亡くなった。将棋界に尽くしてくれた素晴らしい、本物の〝旦那〟だった。

将棋好きとして、私は心から団鬼六さんを尊敬している。感謝している。ただの一将棋ファンの私が「感謝」ってのもへんだが、なぜか本気で感謝している。団さんは最高級の将棋ファンだった。

が、じつのところSMに興味のない私は団さんを将棋でしか知らない。私の読んだことのある団さんの文章は将棋関係だけなのだ。これはこれでしょうがない。SにもMにも興味ないから。縛る気もないし縛られたくもないし(笑)。



たとえば山口瞳は、「旦那をやりたがる旦那気質のない俗物」だった。
自分の好きな騎手や棋士を年末に自分の家に呼びよせ大掃除をさせる。その後に飲み会だ。そういう下々の藝人をかわいがっているという旦那気分、自分を慕う芸人を従えさせているという快感。

といって旦那としての、そもそもの能力も気質もないから彼らに大盤振舞をするわけでもない。けちだ。だけど彼は「彼ら下々のものは作家先生の自分に好かれるだけで僥倖」と勘違いしている。
だから小島太騎手のように、「なんでおれがあの家に行って掃除をしなければならないんだ」と逆愛想尽かしをして去る者も出て来る。

将棋界を「狂人部落」と名づけて、元祖コピーライターと悦に入っている。
作家の 山口瞳先生に気に入ってもらっていると感謝している世代はそれを受けいれる。中には「私も狂人部落の一住人としてウンヌン」なんて随筆を書くのまで出て来る。
私はそれを読み、将棋界を「狂人部落」と名づける山口のセンスに疑問を感じた。それを受けいれる棋士というのは何なのだろうと思った。

作家が自分を格上の作家先生と思い、棋士がそれを認めている内はいい。だがそういう階級意識のない世代になってくると反撥をくらう。
「なぜ私たち棋士は、たかが作家風情に気狂い呼ばわりされて喜んでいるのか」という棋士の随筆を読んだときは快哉を叫んだものだった。

旦那としての才能も気質もないのに旦那ぶる山口が、やがて将棋界から嫌われ、去って行かざるを得なかったのは当然だった。

むかしからアサヒシンブンの名人戦は、名のある作家が書き、それが定番となっていた。
しかしそれがいかほどの価値を持っていたかは疑問である。私は読むたびにつまらないと思った。
最初にそれを指摘したのは山田道美八段だった。彼は自分達棋士の作った美しい作品が、観戦記というゴミにまみれて汚れると批判した。

山口が新聞観戦記を書くことが恒例となっていた事例に、「山口さんではイヤだ」と最初に拒絶したのは、米長邦雄だった。ちょっとした事件になった。これまた快哉を叫んだ。これが山口が将棋界から去るきっかけになる。そういう意味では米長さんは骨のあるひとだった。

晩年の山口が巣くっていたのは競馬会だ。山口が競馬場に行くときは競馬会からお迎えのハイヤーが行くらしい。くだらん話である。観戦記を書くのならともかく、ただ遊びに行くだけでも、そんなに気を遣っている。
ある日、なにかの手違いでそのハイヤーが来なかった。山口はそれを『週刊新潮』に連載しているエッセイで、「競馬会から迎えのクルマが来なかった。けしからん」と書いた。競馬会の担当者は菓子折持ってふっとんでいったろうが、世間の大方は「なんなんだ、このえらぶるじーさんは」だった。みっともない男である。山口瞳が好きだというひとの気が知れない。

今秋、仕事の関係で「山口瞳大全」という全集をしかたなく読破したが、感心したものはひとつもなかった。
将棋ものも競馬ものも全部つまらなかった。



団さんは、そういう山口みたいなゴミとはちがう。 本物の将棋ファンであり身銭を切って多くの棋士を接待した。赤字だった「将棋ジャーナル」を引き受けて経営に乗りだし、SM小説で稼いだ大金を失ない、横浜の御殿を手放すことにもなった。
この横浜の御殿時代にかわいがってもらっていたのが、まだ奨励会員だった行方である。 
ここで行方はアマの強豪小池重明と指して敗れている。

そういえばあのころ小池のプロ入りが噂されたが、『近代将棋』誌上で、大山さん(会長)が、「素行に問題あり」と拒んでいたのを覚えている。
そのときの私は「そんなこと言わず入れてやれよ」と思ったのだが、後に団さんの「真剣師小池重明」を読んだら、ほんとに素行のとんでもないひとで(笑)、大山さんの判断は正しかったのだとわかった。
小池さんは人妻好きなのである。何度も人妻を好きになり駆け落ちを実行している。たぶん育ちの問題から、ひとのものが欲しくなる性格なのだろう。あるいは、ひとのものにしか興味がないのか。とにかく人妻なのだ(笑)。

団さんが大金を注ぎこんでまで愛した将棋に唯一恩返しをしてもらったとするなら、そのかわいがっていたアマ強豪の変人を描いた「真剣師小池重明」が売れたことぐらいか。でももちろん団さんは好きで将棋に貢いでいるのであり、恩返しなんて望んでいなかったろう。それが本物の旦那だから。



shogishouritsu団さんが亡くなったとき、将棋連盟の機関誌『将棋世界』は追悼を特集した。棋士以外でここまで特集されるひとは団さんぐらいだ。
米長会長を始め、団さんに世話になった棋士たちが思い出を綴る中に、行方もいた。団さんにかわいがってもらった棋士としては最年少なのだろう。奨励会当時、ひもじくなると団さんの家にゆき、ご飯を食べさせてもらったこと、稽古将棋を指して小遣いをもらって帰宅したことを感謝していた。

団さんは行方がA級にあがるのを楽しみにしていた。
行方は2007年に一度A級にあがり八段になったものの、その後はB級に落ち、そこに定着していた。デビュー時は「将棋に勝って、いい女をいっぱい抱きたい」等の大胆な発言が話題になり、四段なのに大活躍をしたが、近年は地味なB級棋士に甘んじていた。

団さんの死を知ったとき、私は行方の復活を期待した。団さんの恩義に酬いるにはそれしかない。恩人の死で大化けするのではないかと期待した。

行方は見事にそれを成し遂げた。今期は勝率も8割を越え絶好調だ。天国の団さんもよろこんでいることだろう。1勝0敗が1位にいるが勝率1位は行方である。

行方八段、昇級おめでとうございます。A級での活躍を期待しています。
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