動物愛護の矛盾──ポールの七面鳥、デヴィ夫人のワニ──「豚がかわいそう」というミヤネ発言

政治局面もあり、ここのところけっこうテレビを見ている。昨日は「ミヤネ屋」を見た。するとつまらんことをやっていた。

「シナの観光地で、豚が湖にダイブするのが人気」という話題である。湖に5メートルぐらいの高さから豚が湖に、次々と飛びこんで歓声を浴びている。

しかしそれはどう見ても豚が自分の意思で湖に飛びこんでいるのではなく、「人間に追われているから」なのだ。豚は飛び込み台の板で囲まれた狭い通路を棒でつっつかれて、しかたなく飛びこんでいる。正しく言うなら「突きおとされている」に過ぎない。

でもそんなのはどうでもいいことだ。そういうことをして、それを見て喜ぶのがいて商売になっているなら、それはそれでいい。私が看過できなかったのは「ミヤネ屋」の連中の発言である。

まずはミヤネが、「これって、人間が追いこんでるんじゃないですか!」と、まるで真実を見抜いたかのように発言する。コメンテーターが「そうですね、あれってどう見ても人間が突っついてるんでしょ」と同調する。そうしてスタジオ中が、「豚がかわいそうです」「まったく中国って国は」になっていったのである。くだらん。

豚である。所詮殺されて喰われるために生まれてきている豚である。「かわいそう」は当たるまい。こういうのが熊だったら、動物愛護協会なんてのがイチャモンをつけて、熊は別施設に移され、こんな見世物から解放されるパターンがある。豚だ。どうするんだ。別施設で餘生を送らせてやるのか。

ミヤネの「かわいそう」はどこから来ているんだ。湖に突きおとすことが残酷だというのか。豚舎にいてゴロゴロしているだけなら文句はないのか。しかし豚の中には、「殺される前にいい思い出が出来たよ」と言うのもいるかもしれんぞ。

ずらりと並んだコメンテーターってのも、せめてひとりでも「豚ですからね。殺されて喰われる運命なんですから、湖に突きおとされるぐらいなんてことないでしょう」ぐらい言えないのか。
言えないよな、そしたらミヤネやスタッフに嫌われてもう呼んでもらえなくなるもの。コメンテーターなんて名乗るな。「お追従者」でいいだろう。



以前サイトに書いたことの繰り返しになるが。

テレビのニュース。高速道路で豚を満載したトラックが事故に巻きこまれた。トラックから逃げだし、高速道路の上を豚が走りまわる。その映像。なんとかみな捕まった。
男アナ「クルマに撥ねられた豚クンはいなかったようです」。女アナ「よかったですね」。
男アナ「豚クンにとってはトンだ災難でしたね。さて次のニュースです」

屠殺場に向かうトラックだ。殺されに行くのだ。女の「よかったですね」は何がよかったのだ。屠殺場で殺されるのはよいことで、高速道路でクルマに撥ねられて死ぬのはよくないのか。豚にとっちゃ死に変わりはない。「よかったですね」と言ったその口で、そのあと豚を喰うのか。「トンだ災難」と定番の冗談でしゃれたつもりか。何も考えることなくしゃべっている自分に疑問を持たないのか。



しかしそれを言ったら世間中そうなる。
崖っぷちで往生している野犬。消防車まで出動しての大救出劇。各局のテレビカメラが報道する。助かった野犬には、飼い主になりたいという申しこみが殺到。その一方、飼い主に捨てられ殺されて行く犬猫毎日何万匹。

動物を殺して喰い、動物の住処を奪い、動物にわるいことをぜんぶしてきた人間の、都合のいい愛護精神。自己満足のヒューマニズム。吐き気がする。

---------------

paulベジタリアンのポール・マッカートニーが動物の権利擁護団体PETA(People for the Ethical Treatment of Animals)が主催するキャンペーンに賛同し、“七面鳥の日”とも呼ばれる感謝祭、およびクリスマスにターキーを食べるのはやめようと訴えている。

ポール・マッカートニーは“EAT NO TURKEY”と描かれたTシャツを着用し、「SAY NO,THANKS TO TURKEY, GO VEGETARIAN(ターキーはいらないと言い、ベジタリアンで行こう)」をスローガンとするPETAのポスターに登場。代わりとなるベジタリアン・レシピを紹介している。

アメリカではこの時期、4500万羽の七面鳥が屠殺されているという。PETAは、マッカートニーが「もし屠殺場の壁がガラスだったら、みんなベジタリアンになるだろう」と解説する、屠殺場の様子を紹介した映像も掲載している。

ターキーは感謝祭とともにクリスマスでも食されるが、マッカートニー家ではベジタブル・ローストを作るそうだ。http://www.barks.jp/news/?id=1000084799

※ 

ポールは本格的なヴェジタリアンだから、これを言う資格がある。
しかし、これがもしも実現して(しないけどさ)七面鳥の命が助かったからといって、それがなんなんだ。その何百倍毎日殺されているニワトリはどうなるんだ。牛は豚は羊は馬は。



dewidog動物愛護と言えばデヴィ夫人も熱心だ。ブログには 「マイファミリー」として何匹もの犬っころとの写真を出している。飼い主がいいかげんなことによって犬猫が大量に処分される現状に関して怒りの意見も出している。
 
デヴィ夫人の怒りは犬猫だけではない。「熊問題」にも意見を述べている。里に出現する熊の射殺に関してだ。もともと人間が彼らの居場所を奪ったのではないかと怒る。これは正しい。その通りだ。だから殺したりせず捕獲して元の場所に放してやったり、保護するべきとの意見。傾聴に価する。

dewibagしかし一方でデヴィ夫人はこんなのもやっている。
熊は守らねばならないが鰐はそうではないらしい。なにしろ鰐を殺して鰐皮で作るバッグのデザインまでしているのだから。ブログで販売しているのだから。

デヴィ夫人の中で、熊と鰐はどこでちがったのだろう。鰐はなにかデヴィ夫人に失礼なことをして嫌われたのか。もしかして朝鮮の悪口でも言ったのか、鰐よ。

擁護してもらえるということは、熊は朝鮮贔屓なのか。 

なんだかこういう片手落ちの擁護を見ると腹が立つ。熊と鰐にどんな差があるというのだ。これなんかは一種の勇み足になる。熊が話題になったから、つい大好きな犬猫と同じように擁護してしまった。しかし自分は鰐を殺す側なのだ。まあ勇み足というより、軽率というか、一貫性がないというか。

デヴィ夫人は生活環境において、どれほど徹底しているのだろう。このひと、毛皮はもってないのか。なんかいっぱい持ってそうだ。象牙の珍品なんてのも持ってそうだ。

しかしまた「片手落ちでない動物愛護」なんて出来まい。だって人間は動物を殺して喰って生きのびている存在なのだから。意見を言う資格はヴェジタリアンに限られる。



競馬でもそういうのはあって、もともと競馬は動物の血を弄るという人間の業の深さの象徴だから、きれいごとでは語れない。でも「血統ロマン」なんてことを言いたがるのも多い。

ヨーロッパでは、「一レースで鞭を入れる回数」を制限し始めた。規定の回数以上に馬を叩いたら罰則として騎乗停止になる。しかしなあ、いうまでもないが、ヨーロッパだって馬は餘生を満喫できているわけではない。思うように走らなければ、殺して肉や皮にするくせに、鞭の数の限定とか、どうにもわざとらしい動物愛護精神だ。「動物愛護」というなら競馬なんて廃止すればいい。というか、真に動物愛護をしたいなら、人間は地球上から滅びたほうがいい。存在そのものが動物愛護精神に反しているのだから。



ひとはみな矛盾を抱えて生きる。
牛豚の肉を食いつつテレビを見て、病気の犬に涙するのが本性でもある。それを責められる人は誰もいない。それが人間という生き物の本質なのだから。 

私はこれに悩んだとき、逆療法を試みた。つまり「人間とはそういう生き物なのだから、もう何でも喰ったほうがいいのではないか」と。そう居直ると楽になれる気がした。で、上記の鰐なんかも喰ってみた。カエルとか。コウモリとか。オーストラリアでカンガルーの肉も食ってみた。

結果、これでは解決できなかったので、なるべく食べるのをやめにした。



果たして効果があるかどうかだが、私の場合、四つ足動物の肉を食わなくなってからだいぶ気が楽になった。とはいえスープの出汁とか、気づかない部分では関わっているのだけど。それでも「肉の形をした肉」を遠ざけただけで楽になった。

問題は「日本で貧乏人が菜食主義をするのは金がかかる」ということである。むかしは肉がご馳走だったのだが、今では野菜のほうが高かったりする。まして外食でもそれを貫くとなったらたいへんだ。 会食では他人様に迷惑を掛ける。

※ 

テーマがずれてきてしまった。菜食主義の勧めではない。言いたいのは「動物愛護、ヒューマニズムのウソっぽさ」である。 

無農薬合鴨農法というのが話題になったとき、水田を網で囲い、合鴨に害虫(これは人間側からの命名で、彼らは自分をそうだとは思っていない。普通の食生活を送っていたら、人間にそう呼ばれていただけである)を喰わせて、農薬を使わない稲作だ。

すばらしいと思った。だがそのあと「その合鴨はあとで喰う。一石二鳥。美味い」という話を知って、まったく人間てのはとかなしくなった。かといって稲作のために頑張ってくれた合鴨を「天寿を全うするまで面倒を見る」とはゆかない。 しかし一緒に稲を育てた合鴨を殺して喰うのはキツいな。



私は四つ足動物の肉を食わない自分が好きではない。そのことに酔ったりしているのではないからそこは誤解しないで欲しい。方法として、「喰いまくる」よりも精神的に楽だったので選んだ。それだけである。最初から悩まないひとがうらやましい。

朝鮮人が犬を喰うことを責められるひとがどれほどいるのだろう。 美味で躰が温まり、病人には最高だという。
私は朝鮮とシナで何度か犬を喰う機会はあったが、喰えなかった。ちょうど前記「何でも喰ってやろう」の時期だったのだが、さすがに抵抗があった。そういう自分をつまらんと思うが。

猫はまずいらしい。総じて猫科の肉はまずいようだ。まずくてよかった。美味かったらシナ人なんか喰いまくったろう。
シナ人は、「飛んでるものは飛行機以外、地上の四つ足は机以外、全部喰う」と言われるだけあって、悩みがない。今でも家庭で、飼っている豚を殺して喰う。タイの田舎でもやっていた。こういうのも悩みがなくていい。人間の業を正面から受けとめている。 



まあ答の出ない永遠のテーマである。何も考えず、牛でも豚でも羊でも馬でも、喰うのがいいんだろうけどね。競馬好きでも「馬刺、大好き」というひとは多い。悩みがなくていい。
それでも冒頭の「ミヤネ屋」のようなバカなことは言いたくない。 
関連記事
  1. 2012/11/22(木) 12:14:36|
  2. 世相
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<「国民の生活が第一」の〝ぶってぶって姫〟姫井由美子が千葉県から立候補(笑)──怒れよ、千葉県民! | ホーム | 群馬から一転、野田首相の地元千葉から〝刺客〟として出馬させられる三宅雪子の哀れ──まるで使い捨ての女忍者>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://moneslife.blog.fc2.com/tb.php/821-16236498
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

fc2moneslife

Author:fc2moneslife
2001年に始めたサイトMone's World--http://monetimes.
web.fc2.com/の出張版ブログ【木屑鈔】Boku-setsu-shouです。
2005年からやっていたライブドアブログから引っ越してきました。
FC2のサイトは2007年から利用させてもらっていました。これでやっとサイトもブログもFC2で統一です。
メールは、moneslife2000
@kpe.biglobe.ne.jpまで。

最新記事

カテゴリ

未分類 (0)
大相撲 (32)
落語 (6)
生活 (85)
パソコン (78)
ことば (41)
読書 (29)
音楽 (50)
政治 (200)
テレビ (27)
インターネット (91)
漢字 (6)
オリンピック (11)
マスコミ (46)
NHK (2)
プロレス (6)
世相 (91)
総理大臣 (7)
映画 (21)
スポーツ (8)
園芸 (3)
将棋 (71)
Jazz (7)
競馬 (20)
芸能 (32)
旅行 (10)
格闘技 (4)
漫画 (14)
橋下徹 (16)
タバコ (4)
Rock (2)
中共 (11)
宗教 (9)
週刊誌 (7)
皇室 (9)
地震 (39)
台湾 (5)
石原慎太郎 (10)
CM (2)
きっこ (23)
地デジ (7)
朝鮮 (23)
国民栄誉賞 (2)
ツイッター (8)
女子サッカー (1)
野田聖子 (9)
訃報 (10)
ブログ (11)
飲食 (11)
電王戦 (2)
竹島 (9)
靖國神社 (6)
デヴィ夫人 (6)
酒 (4)
節電 (1)
ホッピー (5)
小沢一郎 (9)
Windows8 (2)
たかじん (5)
島耕作 (1)
物品 (3)
テレサ・テン (2)
選挙 (8)
佐川急便 (8)
猫 (1)
白川道 (1)
サヨク (14)
麻雀 (1)
郵便 (1)
通販 (1)
Asus Memopad (1)
文章 (2)
携帯電話 (1)

月別アーカイブ

カテゴリ別記事一覧

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する