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「無農薬野菜は今風のおいしいものではないよ」という話──味は幻想で語ってはならない

munouyaku






友人のmakichabinのつぶやきから引用。ちいさなことだが、とてもおおきな事実。これは貴重なツイートである。



もうずっと前、昭和の話だが。
小学校長を定年退職した父が野菜を作り始めた。無農薬野菜である。没落地主なので家の周囲は自分ちの田んぼと畑ばかり。地所に苦労はない。目の前なので、時たま帰郷するが二階にこもってパソコン三昧のバカ息子(=わたし)も、それぐらいならぶらっと見に行ける。

感激したのは「虫」だった。農薬を使っている隣の畑も同じもの(キャベツを例とする)を作っている。それには近寄らない。なのに父の作っている無農薬野菜には群がるのである。ほんとに写真を撮っておきたかった。ウソみたいである。父の作っているキャベツにだけモンシロチョウが集合しているのだ。隣の畑の農薬漬け野菜には一匹もいない。彼らにとってはそれほど違うのだろう。
父の作るキャベツだけ穴だらけになる。青虫を捕るだけでたいへんである。それほど蝶々が群がっているのだから卵を山と産みつける。父は網を買ってきてキャベツを囲んだ。蝶々はそれでもやってきた。隣の畑に形のいい青々としたキャベツがずらりと並んでいる。そこには蝶々は一匹もいない。なのに網で囲み、近寄れないようになっているのに、父の作った武骨な形のキャベツには、網越しに蝶々が群がっていた。網があってキャベツを齧れないのに、それでも蝶々は何十匹も群がっていた。(ってことは、齧っての味覚ではなく、嗅覚ってことか。蝶々って鼻が利くんだ。)



餘談ながら、大正生まれの父はキャベツを「玉菜(たまな)」と言った。むかしはそうだった。キャベツが渡来したとき、真ん丸で玉のようになるから「玉のような野菜=たまな」としたのだろう。
まあこういうのは見た目からの和名だから、デモクラシーを民主としたり、プログレスを進歩と訳したりするよりは苦労はなかったろうが。

都会の若者には知らないひともいるだろうけど、キャベツってのは、べろーんと拡がっているんだ。それが実るにしたがい、拡がっていた葉がきゅっきゅっと起き上がって、ああいう玉になる。ぶよぶよした引き篭もりニートが、何かに目覚め、目元涼しい凛々しい青年になるみたいに。

さらに餘談ながら、むかしはみな「朝鮮漬け」と言った。今のキムチである。これは「韓国」による「朝鮮」というコトバの忌避イメージからこうなったのだろう。「韓国漬け」とは言わないもんな。今時のテレビ局は韓国漬けだけど。

NHK教育テレビの「韓国語講座」は、総聯(在日本朝鮮人総聯合会)に「朝鮮語講座にしろ」と講義され、変えようとした。たしかに「朝鮮語」であり「朝鮮民族」であり「朝鮮半島」なのだ。「朝鮮」が正しい。しかし今度は「在日本大韓民国民団(民団)が、「日本と国交があるのは大韓民国だ。北朝鮮とは国交がない。なのになぜ朝鮮にするのか」と講義してきた。これもこれでも一理ある。北朝鮮になにか言われる筋合いはないのだ。おろおろした結果、「ハングル講座」という意味不明のものになった。言うまでもなくハングルは文字の名であり語学の講座名には不適切である。

私も今、キャベツ、キムチと言っているが、これから頑固ジジイになるために、玉菜、朝鮮漬けと言うようにしようか(笑)。



さて本題。
無農薬野菜はキツいよ。特に軟弱な都会者にはね。

私は基本田舎者だけど、都会で20年暮らしてから、そういう父の作った野菜に接したので、味覚はすっかりスーパーのへなへな野菜になっていた。ひさしぶりにそれを喰ったとき異様におどろいた。味が濃いのだ。やがて懐かしさを感じる。「ああ、これが野菜なんだよな」と。

冒頭でmakichabinは「歯応え」と書いている。いい日本語だ。食に貧しいエゲレスに「歯応え」なんてしゃれたことばはあるのかな。調べる。あるわけない。「やわらかい」とか「かたい」とか直接的な表現だけだ。

無農薬野菜は、まず「固い」。キャベツや白菜は喰われてなるものかと割るのに苦労するほどだ。そして野菜の「香りが強い」。それを知っている基本田舎者の私なんかは「懐かしい」で済むけど、都会者は「臭い」とすら感じるかも知れない。固くて臭いが、その分、長時間煮こんだりしてもへたらない。旨味が増す。その辺が「生野菜サラダ」に向いているへなちょこ野菜とのちがいになる。本物の日本の田舎野菜は強すぎて「サラダ」には向いてない。ドレッシングかけてバリバリ喰えるのは、それ用のへなちょこ野菜だからなのだ。



印象的なエピソードがある。
母がそれを旧友に送っていた。女学校時代の、いまは東京に住む友人である。老齢の父の手作り野菜であるから数はない。だからキャベツ一個を宅配便で送ったりする。かなりヘンだ。受けとった方も戸惑ったろう。でも母には勝算があった。

すると着いたその日に電話が来る。「感激したわぁ。これよこれよ、これが本物の野菜よ。娘時代を思い出したわ」と。それはそれはもうキャベツ一個ではすまない感謝だった。とはいえ作ったのは父で母は手を貸していないのだが。
あまりひとには感謝しないが感謝されることが大好きな母はそれに味を占め、毎年キャベツ宅配便を連発していた。友人は社長夫人だったりするからキャベツ何百個分の三越や高島屋包装紙の返礼が届く。それを期待していたわけではあるまいが。そういや、私が大学に入るときに保証人になってもらったりした中小企業のそれら金持ちも、この不景気でみな潰れてしまった。いまどうしているのだろう。

印象的なエピソードとはそれではない。これからの話。
親しくなった編集者がいた。私と同い年だった。都会生まれ都会育ちである。彼がよく無農薬野菜やむかしの野菜の美味さを語っていた。まあそういう方面の論客とでも言うのか。いやちがうな、そういうスタンスをかっこいいと思っていたのだろう。ちょっとアサヒ系のひとだった。

母のそれを見た私は、私も母のように感激と感謝をもらおうと、田舎に戻ったとき、父からキャベツをもらい、その編集者に宅配便で送ったのである。
彼が食べた頃を見はからい編集部を訪れた。「どうだった?」と聞く。母が旧友からもらったような感謝感激懐古のコトバが連発されると期待した。だって彼は無農薬のむかしの野菜を絶讃していたのだから。

しかし彼は口篭もり、「うん、まあ」とかなんとかごまかしている。気まずそうだった。一瞬で理解した。笑いそうになったがこらえた。うまくなかったのだ。というより、「思っていたモノとちがっていた」のである。

冒頭のmakichabinのツイートにあるように、世の風潮に流され、彼は「無農薬野菜はおいしい。一口食べたらわかる。農薬におかされた野菜とはぜんぜん違う。無農薬野菜を食べたら、農薬漬けの野菜なんて食べられない」と、リクツで語っていただけなのだ。当然「昔の野菜はおいしかった」も、そこから創りだした幻想になる。こどものころに食べたむかしの野菜は確かにおいしかったのだが、彼が現実においしいと思っているのは、それから何十年も食べつづけている「いまの農薬漬けの野菜の味」だったのである。

母の旧友は田舎者である。子供の頃から食べてきた、さて昭和のどれぐらいまでそれがあったのかわからないが、無農薬野菜の味を躰が覚えていた。だから食べたらすぐに甦ってきた。味は郷愁を呼ぶ。一気に半世紀前の女学校時代に飛んだろう。
しかし都会育ちの三十代であり、水に浸けられて旨味の流れでたあのトンカツに添えられる千切りキャベツあたりを野菜と思っていた彼には、私の送ったキャベツは、固くて臭くて異様なものにすぎなかった。



毎度の喩えになるが、果汁0、果汁10%の飲物で育ったひとが、「これが本物のジュース」と果汁100%を飲まされて、誰もが「全然違う、おいしい、これが本物か!」と感激するとは限らないのである。「ファンタがいい」と言うひとは必ずいよう。それと同じだ。「無農薬」にかってな幻想を抱いてはならない。今の時代、無農薬野菜は決して「慣れ親しんだ味」ではないのだから。

強調しておきたいのは、上記「父の作ったキャベツ」は、昭和の話ということである。すでに昭和の時代に私と同い年だった東京育ちの編集者は、本物キャベツになじめないでいる。平成の今、温室育ちの骨抜き野菜しか知らない若者が、あのゴツゴツした無農薬野菜の味に馴染めるはずがない。

玄米はうまくない。精米した白米のほうがうまい。でも玄米食のひとは、まずくても健康のためにそれを選ぶ。栄養のある部分をみな削ぎおとしてしまったのが白米だから、それは理に適っている。(ここでまた「玄米はうまいよ。あんた、それを知らないだけだよ」と言いだす玄米主義者もいそうだが、それの相手はしない。)

無農薬野菜はうまい。太陽と大地の養分で育っている。でもヘナヘナ生野菜サラダに慣れた若者には、とっつきにくい味だ。それは確認しておきたい。

田舎を訪ねたタレントが、野菜をもぎとって食べさせてもらい、「甘いですね。これだけで食べられます。いつものスーパーのとはぜんぜん違いますよ!」なんてやっている。ああいうウソっぽい讃歌はやめたほうがいい。その点、makichabinのツイートにあったタレント?の発言は正直ですばらしいと思う。

本題はここで終り。以下、脱線しての与太話。


============================================


次いで、酒の話。ラベルについて。

学生時代、私なんかの飲めるのはサントリーレッドとかブラックニッカとかウヰスキー以前の粗悪なシロモノだった。せいぜい白(サントリーホワイト)だった。しかしまずかった。私は大嫌いだった。本能でまずいと判断していた。それでもウイスキーはオシャレという時代感覚があったので無理して飲み、悪酔いしてますます嫌いになった。サイトの酒歴に書いているが、それ以降、私は三十代後半にロイヤルサルート(シーバスの21年モノ)を飲んで、「ウイスキーってのはこんなにうまかったのか!」と驚愕するまでずっとウイスキー嫌いだった。

貧乏学生のくせにウイスキーのうんちくを語るイヤミなヤツがいた。現実に飲めるのは私と同じレッドとかブラック程度だったが、言うのはオールドパーやジョニ黒のことばかりだった。そいつが毎日それを飲んでいるのならそれでいいが、一、二度飲んだだけのそれを礼讃し、ふだんはそれじゃ意味がない。

若いひとには信じがたいことであろうが、当時はジョニ黒やオールドパーはサイドボードに恭しく鎮座していて、盆と正月に一杯だけ飲む、というような特別な存在だった。飾り物である(笑)。誰でも簡単に安い値段で飲めるいまでは信じられないことだが。



サントリーオールドを無理して買った。つまらんウイスキーだが当時は銀座でもメインを張っていた人気ブランドだった。サントリーの酒列は、トリス、レッド、ホワイト、角瓶、オールド、ロイヤルだから、格としてはずいぶん上になる。

ウヰスキー嫌いの私は「もしかしたら」と思った。安ウヰスキーだから不味いのであって、日本中のウヰスキー党に支持されているオールドならうまいのではないかと。
やはりまずかった。そこで「ウイスキーはまずい。もしもうまいとしても、おれには合わない」と結論した。当時のサントリーのウイスキーがまずかっただけなのだが……。それからロイヤルサルートに出会うまでの長い年月。

もったいないからとりあえず空けた。オールドは学生には背伸びして買う酒だった。サントリーレッドやブラックニッカが500円、ホワイトが千円、角瓶が1500円、オールドが2200円ぐらいの時代。
まずくて飲めないままになっているレッドをオールドの瓶に移し、レッドの瓶を捨てた。一度やってみたいイタズラがあった。

上記、うんちくイヤミがやってきた。棚にあるオールドが飲みたそうだ。本物のオールドならこんなヤツに飲ませないが、中身はレッドだからふるまった。
一口飲んでヤツが言った。「うまいね、ぜんぜんちがうね。やっぱオールドはちがうよ。これ飲んだらもうレッドなんか飲めないな」



野菜でも米でも酒でも、言いたいことはいっぱいある。それが正鵠を射ている自信もある。でもなんかね、一歩まちがうと同じ穴の貉になるからやめとこう。

テレビを見ないのでmakichabinのツイートに出て来る井の頭線だか井手らっきゃだかはまったく知らないが、彼のそういう形の「本音」は大事だ。断じて幻想で持ちあげてはならない。

福島を誹謗中傷するヤツラに、福島の野菜と西日本の野菜のラベルを逆にして喰わしてみたい。何を言うかは想像できる。福島ラベルのついた西日本の野菜を食いつつ、「ああ、ダメだ福島は。すぐわかる。放射能で味がピリピリする」なんて言うだろう(笑)。あいつらのレベルなんてそんなものだ。
今夜はいわき市の地酒でも飲むか。がんばれ福島!
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