ThinkPadのキィがひとつ壊れてかな入力ができなくなった──かな入力、ローマ字入力──日本語音引き考

愛用しているノートパソコンThinkPad R60のキィがひとつ反応しなくなった。最上段の右端。
ふつうキィが壊れる場合はカクカクしたり動かなくなったりする。それなら自分で部品を取りよせて交換したり、無理なら修理に出すのだが、いつもと同じなのでこまる。壊れた実感がない。内部でなにが起きたのか。

刻印されている記号は、半角のアルファベット入力だと「\」と「 | 」、ローマ字入力だと「¥」と「|」になる。かな入力だと「ー」。



日本語の文章を書くのに、ローマ字入力だとほとんど使わないキィだが、かな入力だと音引きの「ー」は多用するから必須のキィだ。右手小指でタッチする。手の小さなひとはブラインドタッチはきついだろう。ローマ字入力が普及したのは、使用するのが三段のキィだけで、手の小さいひとにもブラインドタッチがしやすい、というのが大きな理由だった。学校でこどもに教えやすい。

かな入力のブラインドタッチに習熟したらローマ字入力なんてやる気がなくなる。速さが違う。むろんそれに負けない早打ちのローマ字入力打ちもいるだろうが、基本としてキイタッチの数がちがうから、假りに同じ速さのふたりを並べて見ているとすると、かな入力がクラプトンのスローハンドみたいに派手な動きがなく、それでも速いのに対し、ローマ字入力は下手な素人早弾きみたいに、これでもかとばかりに手と指が乱舞するだろう。その辺の美学のちがい。

過日、電車の隣席でそんなひとを見た。30代のサラリーマン。膝の上にVaioを出して操作を始めた。ものすごい速さでキイボードを打ち、しばらく考える。それからまたすさまじく速い打鍵をする。打鍵音も高い。まるで派手派手にピアノでも弾いているよう。しかしそっと画面を覗くと、たいしたことは書いてない。なのになんで感動するほど速いのだろうと考えたらローマ字入力だからだった。必要以上に指のアクションも大きい。いわゆる典型的ヘタクソギタリストと同じ。
同じ事を私がしたら、打鍵音はなく、キィボードの上を指が静かに指が流れるように走るだけで、彼以上の文字数を打つだろう。この、これみよがしのサラリーマンは優秀なのだろうか。しばし考えた。



デスクトップ機では複数のキイボードを気分次第で使い分けている。これはあれやこれや多数。メンブレンが主だが時には敢えてメカニカルでカチャカチャやったりする。

膝に載せて使っている(いまもそれで書いている)文字通りのラップトップのモバイルThinkPadは、あたらしい型なのでアイランドキィボードである。浮き石型と呼ばれるMac風のひとつひとつ独立したキィ。ThinkPadは今年の新型から評判のよかった独自のキィボードを廃してこれにモデルチェンジした。使い勝手はまあまあ。

現有のそれらと、かつて使ってきたすべてと比しても、旧型ThinkPadのキイボードは最高だった。

それが使えなくなった。たったひとつのキィではあるが、すべてに影響して台なしになる。精密機械のむずかしいところ。



現在の日本語の音引き規定というのは醜い。やりすぎだ。なんでもかんでも伸ばせばいいってもんじゃない。私は極力使わないようにしている。この文章でも一般には「キーボード」だが「キィボード」と書いている。「Key」を「キー」とは書きたくない。英語の末尾の「R」は音引きにする決まりのようだが、「Computer」は「コンピュータ」にしている。どう考えても「コンピューター」は間抜けな表記だ。「アプリケーション」なんてのも「アプリケイション」だろうなあ。

そういうこだわりをしたひとは昔の文豪にもいたし、現在だと石原慎太郎さんが「イメージ」を「イメイジ」、「バラエティー」を「ヴァライティ」のように表記している。



とまあそんなこだわりはともかく、音引きを完全に排した表記は読みづらくなるだろう。「コンピュウタ」「キィボオド」ぐらいまでは許してもらえても。
ということは、たったひとつ、右上端のキィが反応しなくなっただけで旧型ThinkPadはコンピュータとしての能力を失ってしまったことになる。まあマウスを使ってのネット閲覧なんかには問題ないが、その最高のキィポードを利用しての日本語文章書きのために存在していたノートパソコンだった。



最愛のキィボードが使えなくなり、ここ数日かなりへこんでいたのだが、冒頭に書いたように「ローマ字入力なら使えるのか!」と気づいた。

私はかな入力がメインだが(ここもふつうはメーンか、でもmainをメーンてへんだよね)ローマ字入力もブラインドタッチできる。日本語をローマ字入力するのはおかしいというのが持論なのだが、世間のパソコンがみなローマ字入力なのも知っている。特に外国のインターネットカフェではそれをせねばならない。ならこの際、旧型ThinkPadをローマ字入力専用にして、そちらの練習を積むかと考えた。

アルファベットはブラインドタッチできる。だから英文はすらすら打てる。
だが1998年にチェンマイのインターネットカフェから友人へのメールを書いた際、ローマ字入力でチェンマイの「チェ」が打てず、Chiangmaiと英語綴りでごまかしたように、複雑な日本語になるとわからなくなる。「かな入力」の「にゅうりょく」なんてのもたいへんだな。nyuuryokuと打つのか?
「プギャアァァ、どぅおうしたのぉぉぉぉ!」なんて擬音入りの打鍵はどうするんだ。想像もつかない。それの勉強でもするか。やりたくねえなあ。

上記、「メール」も「mail」だもの、「メイル」だよなあ。いまのところ「郵便」は「メール」、「鎧」は「メイル」と使い分けるらしい。ジャガーメイル(豹の鎧)という馬がいる。もっとも香港じゃ「網絡電郵」と郵便にされてしまって「鎧」の意味は伝わっていなかった(笑)。



ネット検索したら、ThinkPad R60の中古は15000円ぐらいで買えるらしい。もちろんデフォルトのちいさなHDDにOSはXPだ。そんなものは使う気はないからどうでもいい。それを買って、メモリ増設して、SSDに換装して、7を挿れれば解決だ。しかしキィひとつだけだしなあ、Lenovoに相談してみるか。

ほんの一部が壊れただけですべてがぶち壊しになるのはコンピュータだけじゃない。人間という精密機械も口内炎がひとつ出来ただけで楽しい一日が憂鬱になったりする。まあまともに動くのがまだ二台あるのだ。落ちこまないようにしよう。
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  1. 2012/08/09(木) 23:31:21|
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