NHKの「富山大学付属病院」、「やまとなでしこ」の「慶明大学付属病院」──付属と附属──テレビ新聞と現実の表記──なんと、明治は付属!──臓器移植法

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昨年、10年遅れで松嶋菜々子の「やまとなでしこ」を見たとき、劇中の舞台として「慶明付属病院」というのが出てきて奇妙に感じた。

大学のふぞく学校やふぞく病院に関わったひとならわかるだろうが、表記は「附属」である。附属と付属は意味からして異なる。附属を付属と書くのは明らかな誤記である。

理由は簡単。敗戦後の漢字制限で「附」が使えなくなったから当て字で似たような「付」にしたのだ。「頽廃」を「退廃」に、「交叉点」を「交差点」にしたのと同じ、くだらないこと。無意味。いや、有害なこと。



私は「やまとなでしこ」でそれを見たとき、「これはシナリオの文字なのだろうか!?」と考えた。
場所はその辺のロケ地である。使用させてもらった建物の入口に、小道具係が作った「慶明大学付属病院」というプレートを貼っている。

まともな大学病院だったらぜったいに「附属病院」である。
シナリオライターが、どこかの附属学校を出ていたら必ず「附属」と書くだろう。シナリオライターはどう書いたのだろう。附属か付属か。

また演出家が附属学校出身だったら、シナリオにそう書いてあったとしても、「附属」に直すだろう。「付属病院」なんて意味不明のことばは字面からしても我慢できるものではない。

さらにまた、シナリオライターも演出家も「附属」に縁がなかったとしても、実際にそれを作る小道具係が漢字にこだわりがあったら、「これは〝附属〟じゃないんですか」と言ったろう。
さらにさらにまた、スポンサーがそれに誇りがあったら、「あの看板の〝付属〟はヘンなんじゃないの」と口を出したろう。

シナリオライター、演出家、小道具係、スポンサー、いくつもの目を通りぬけて不自然な「付属病院」であることが不思議だった。ある意味、「やまとなでしこ」を見て、いちばん心に残った一件になる(笑)。

好意的に解釈するなら、「架空のドラマの存在しない病院なのだから」と、あえて「付属」にした、ともとれる。



今日、「小沢一郎離婚──放射能から逃げだす」をやらないかなとテレビを点けたら、「臓器移植法の変更により6歳のこどもの臓器移植が行われた」とNHKが報じていた。舞台は「富山大学付属病院」とテロップが出る。テレビではもうこんな表記をするのか。知らなかった。

本物の富山大学ふぞく病院も、時勢にまかせて「付属病院」にしているのか? まさかね。

調べてみると、インターネットの検索項目では「付属病院」となったりしているが、本体はしっかり、「附属」としていた。そうだよなあ、付属病院なんて、するはずがない。そもそもそんなものは存在しない。安心した。

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この富山大学附属病院で脳死したこどもの臓器を移植手術したのが大阪大学附属病院。

おどろいたことに読売新聞の記事では「付属病院」になっていた。

改正臓器移植法に基づき、6歳未満で初めて脳死と判定された男児から提供される臓器の摘出手術が15日、男児の入院する富山大学付属病院(富山市)で始まった。
 
心臓は大阪大学付属病院(大阪府吹田市)に運ばれ、10歳未満の女児に移植する。(読売新聞)

テレビも新聞もここまでひどい。最大発行部数の読売が、すでにもうこんな表記をしている。おどろいた。NHKや読売新聞がこうなのだから、フジテレビの架空のドラマで「付属病院」なのは当然となる。

しかし信じていたとおり、本物はしっかり、
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だった。



ということで、テレビや新聞がそんな誤表記をしようと、本家本物はしっかり「附属」と正しく書いているのだと安心しつつ、同種のことをいくつか見ていたらショックなことがあった。

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こういうとこを出たひとは、自分の出身校を「付属」と書くだろう。だって正規の表記が「付属」なのだから。明治大学に関しては、「明治大学附属中学校」と書いたら誤記になる。いやはや。これを決断したひとは、ものすごくかっこわるいことをしたんだけど、自覚はないんだろうなあ。

「やまとなでしこ」のシナリオライターや演出家は明治出身だったのかな。
しみじみがっかりした。



【附記】──兵庫県立大付属高校──10/3

修学旅行が韓国である高校は多い。そのことに生徒達が反撥し、旅行先を替えて欲しいという運動をしている高校があると知る。よいことだ。

高校の名前は「兵庫県立大付属高校」。
兵庫県というと国立大学は神戸大学か。大きな県だから、それとはべつに県立大学をもっているらしい。初めて聞いた。まああっちのほうに興味がないからそんなものだ。

しかしこの「付属高校」にはがっかりした。明治大学に続きふたつめになる。
神戸大学のほうは「附属病院」とかぜんぶしっかりしている。いい高校なのに、名前はすこし残念。


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臓器移植法

死んだひとの躰を切り刻み、新鮮なハツやレバーを取りだし、他人の躰に移植する。
ひとは、そこまでして生きるべきなのだろうか。

富山の亡くなった6歳のこどもの躰からは、「使えそうなモノ」が切りとられ、全国のいくつかの病院に運ばれた。冷凍で活きの良さを保ったのだろう。そこで移植手術が行われる。遺族は「誰かの躰で役だって生きて行くのなら……」と語ったとか。



種の基本として、優勢劣勢の問題は看過できない。

野田聖子のこどもは、生まれる前から障碍が見えていた。むかしなら生まれてすぐに死んでいた。
しかし国会議員先生の大冒険だ。現代医学の精鋭が秘術を尽くす。よって、生まれてきてから身体中、パイプだらけ。手術に次ぐ手術。全身切り傷だらけ。これからしなければならない手術も複数待っている。そうしてなんとか生きている。しかしこのまま生き長らえても、脳を始め数数の障害が残ることは確定している。それは「貴い命」なのか。単なる虐待ではないのか。

以前も書いたことだけど、1歳未満の重度の障碍をもった赤ん坊を、寄附を募って1億円集め、アメリカに渡って手術する。それって「人道的」なのか。そりゃ天使の笑顔だ、それがもうすぐ消えてしまう。かなしいに決まっている。「なんとしても」と思う。
だけど、死なせてやれよ。赤ん坊はそう思っている。大金持ちが自分の金ならまだしも、他人様から寄附を募ってまでその命にこだわるなよ。天命として死なせてやり、あらたにまた作ればいい。あらたにはもう作れない夫婦だったなら、それはそれでまた己の運命として受けいれるべきだ。どうにもこういう話題には納得できない。
それが「種」というもの、「命」というものの基本だと思う。



ひとは、そんなにまでして生きるべきなのか。

息子から肝臓をもらったのに、コウノヨウヘイ、タロウ親子がいた。先日亡くなった安岡力也も息子がそうしたのだったか。
親が子に臓器をあげるならともかく、子の臓器を親がもらうとは、なんたることか、鬼畜の所業という批判もあった。しかしこれは成人した親子の問題である。子が親のために差し出したのだから、これはこれでいいだろう。おとなの話だ。私も父が私の腎臓や肝臓で長らえることができるのなら差しだす覚悟はあった。

覚悟はあったし、もし必要ならほんとにそうしていたけど、それが「ひとの道」として、正しいかどうかはまた別の話になる。やはり命は「順序」だから、親が子にすることはあっても、逆はよくないように思う。

そこまでして、生きるべきなのか。
1歳でも100歳でも、天寿は天寿だろう。



ほんとうはこちらのことを書こうと思ったのだが、「やまとなでしこ」の時から気になっていたので、そっち中心になってしまった。
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  1. 2012/06/15(金) 20:16:44|
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