ハイビスカスが咲いた!──よれよれでもうれしい



 窓ぎわに置いておいたハイビスカスが咲いた。写真はひとつめの花で、もう萎れそうで元気がない。葉も、全体的に、なんとなくしょぼくれている。それでもたくさんの蕾が希望的だ。



 今朝、ベランダに出してやった。室内に入れたのは去年の10月だったか。半年ぶりの直接の陽光と風だ。気分がいいだろうね。



 しょぼくれた花でもうれしいのには理由がある。



 じつは20年来の友人になるこのハイビスカスが、昨年まったく花をつけなかったのだ。初めてのことなので焦った。急いで土替えをした。鉢植えのハイビスカスの土替えは毎年やるのが基本だが私はいいかげんだ。田舎にいるころなど3年も4年もほったらかしにしていたこともある。



 いまの地に来てからは毎年やっている。一昨年も土替えはやっていた。しかし昨年咲かなかった。花をつけない。あらためてやってみた。ひとまわり大きな鉢にして、肥料もたっぷりいれて最善を尽くした。でも咲かない。元気に生きてはいるが、花の咲く気配はまったくなかった。ショックだった。









 写真は2002年ころの真夏、茨城の家でのもの。



 土替えは3.4年に一度しかやらなかった手抜きの時期。それでもこんな感じで咲きほこっていた。もう、こんなに咲いていいんかいというほど咲きまくっていた。



 この茨城の家の2階も、窓辺は冬でも温室のようだったから、ほとんど通年咲いているぐらい元気だった。



 それがいきなりたったひとつの蕾すらつけなくなった。木そのものは元気なのだが、蕾をつける気配がない。心配した。



 しかしこれ以上私に出来ることはなかった。とりあえず元気だし、こうして過去の花の写真もあるし、それはそれで諦めるしかないのかと思った。







 これを買ったのは、茨城県の「美野里町園芸センター」というところだった。私の生まれ育った家からはクルマで40分ぐらいの所。草花の好きな老父母を乗せて、よく出かけた。



 美野里町という、「美しい野の里」なる、いかにもな町名は昭和31年の町村合併で考案された造語だ。今はない。平成の大合併で、川町、野里町、里村が合併し、今度はその町名を1文字ずつ取った「小美玉市」というバカみたいな名前になっている(笑)。美野里町なんてうつくしすぎる名前もこそばゆいが、「小美玉市」なんてパカっぽいのにも苦笑する。







 咲かなくなってしまって心配したのには理由がある。「年なのか」と思ったのだ。



 20年前、美野里町園芸センターで、980円で買ったときは、20センチぐらいの鉢に入った、丈も20センチ程度のちいさなものだった。それを1メートル50センチぐらいの大きさまで育てた。そうして何年目からは写真のように咲きほこっていた。



 東京に戻るとき、70センチぐらいに剪定して持ってきたのだが、その後も国立のマンションでも咲きほこっていた。とにかくまあ元気で、真っ赤な花をつけては、悩み多い私を慰めてくれた。その間、10年以上一緒だったゴムの木とか、そんなのも枯れてしまい、いつしか「生き物」ではいちばん長い友人となっていた。生き物でなければ30年40年以上つきあっているギターが何台もあるが。







 花木の盛衰はわからない。ただあれだけ咲いたものが、ベストを尽くしたのに、一年経ってもまったく花をつけないのだから、それは女の閉経のように、終ったのだろうと思うしかない。買ってきたときがこどもであり、あの咲きまくっていた時期を青春とするなら、いまは晩年なのだろう。それしか解釈が出来ない。



 咲かなくなってもいとしさに変りはない。一緒に生きてきた時間がある。白髪のじいさんばあさんみたいに、咲かなくなったハイビスカスを、観葉植物と思うことにして、一緒に生きて行こうと思った。それでいい。垂直に2メートルも跳んだ猫が、年老いて歩けなくなるところまで見てきたから、花にもそんな年齢による衰えがあるのだろうと思うことにした。



 と思っていたとき、3月に蕾をひとつ発見した。背筋がぞくぞくするほどうれしかった。丸二年以上蕾を見ていなかった。しかしまだ本調子じゃないのか、いやまだ季節的に冬だったのだから当然だろうけど、蕾はもっても、花にならなかった。咲けずに、ずっと縮こまっていた。



 それが、よれよれながらも、とにかくひとつ咲いたのである。

 こんなにうれしいことはない。

 今日の陽光を浴びて、より元気になることだろう。



---------------



 2年前、2010年の4月は寒かった。桜が咲いて、散ってから冷えこみ、4月18日に雪が降っている。

 あのときの異常さを覚えているので、まだ春になったと信じられない。

 冷えこんだら、すぐハイビスカスを室内にいれる用意をしておこう。今日も大事を取って夕方には室内にいれよう。



 私には、この旧友のハイビスカスが元のように元気になったとは思えない部分がある。失意の私を励ますために無理して咲いてくれたのではないか。それこそまだ10年ある寿命を1年に縮めて。

 そんな気がしてならない。

 取り越し苦労だといいのだけど。
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