スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

リコー杯第1期女流王座戦──奨励会1級・加藤桃子、女流王座に!──凛とした清水市代、清冽な加藤桃子の美!

kato


奨励会員の加藤が初代女流王座に 将棋リコー杯

3勝2敗で清水六段を破る将棋の第1期リコー杯女流王座戦(特別協力・日本経済新聞社)の五番勝負第5局が12日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、先手の加藤桃子奨励会1級(16)が清水市代女流六段を破り、対戦成績3勝2敗で初代女流王座を獲得した。女流棋士資格を持たない奨励会員が女流タイトルホルダーとなるのは初めて。
日本経済新聞 18時5分。

棋譜は清水が投了し、加藤が初代女流王座に着いた瞬間。

---------------

五番勝負。第一局は10月22日。加藤桃子を応援していた。2勝1敗とリードしたとき、4戦目の12月6日に決めてしまえと願ったが、有利な将棋を、歩の打ち所をまちがえて逆転負けした。5六歩と控えて打てば完勝だった。それによって即詰みに討ちとらねばならなくなった。詰まなかった。今日は2勝2敗からの決勝戦。泣いても笑っても今日で決まる。緊張した。私が緊張してもしょうがないが(笑)。



私は羽生を応援している。二十代の渡辺に負けたときは落胆した。谷川の復活を願っている。イチローの200本安打記録が途絶えたのを嘆き、なんとか武豊の24年連続GⅠ勝利記録が達成されないかと祈っている。
そういう保守派?としては、羽生と同世代の最強女流棋士として長年棋界に君臨してきて、ここのところ立て続けに〝出雲の稲妻〟里見香奈に敗れて無冠になってしまった清水市代を応援するのが筋だろう。

清水は無冠になったとはいえ今年も、倉敷藤花戦の挑戦者になり(里見に2連敗で敗れる)、年明けから始まる女流名人戦も挑戦者決定リーグ9戦全勝で挑戦者になっている。元々は全冠保持していて「女羽生」と言われた最強女流棋士だ。ここのところの失冠は、いわば「2着続きのブエナビスタ」みたいなもので、本来なら私は清水を応援せねばならない。



joryuouza

これは将棋史上に残る美しい傑作ポスターだ。凛とした清水、清冽な加藤。和服の清水のりりしさ、加藤の少女らしいふくよかさ。これぞ大和撫子、究極の美。世界に誇れる完成度。将棋ファンすべての誇り。すばらしい!



ましてこのリコー杯は、今回が創設されての第一期。優勝賞金は女流最高の500万円(マイナビ女子オープンと同額)。第一期なのでトーナメント戦。勝ち上がったふたりの決勝戦が女流王座を決める5番勝負になる。最強清水の復活の舞台として最高ではないか。いつもなら清水を応援したろう。



が、加藤桃子の魅力はそれをしのいでいた。
現在、奨励会1級。だいたい女子は3級ぐらいで頭打ちになる。日本中の将棋の天才が集う奨励会で、ここまで来るだけでたいしたものなのだ。女子としては図抜けている。

3級ぐらいで頭打ちになった女子は、奨励会を退会し「女流」になる。男子に混じって指す奨励会出身は3級ぐらいでも女流としてはトップクラスだ。すぐにタイトル戦に絡み、タイトルを奪取したりする。それは過去にも千葉や矢内が証明している。そもそも初代女流名人の蛸島さんも奨励会出身だ。林葉も中井も奨励会に在籍していた。タコちゃんだけさんづけしてしまった(笑)。しょうがない、別格だ。

一方、奨励会とは関わらず純粋に女流としての道を歩み、最強の座についたのが清水になる。高校生の頃からつよいひとだったが、このひとは純粋なアマチュア出身だ。眼鏡を掛けていた高校生時代の清水をよく覚えている。
林葉、中井と三強と呼ばれていたが、いつしか一強になっていた。獲得タイトル数は群を抜いている。これはこれで「奨励会出身(=退会者)ではないという誇り」をもっていることだろう。

katoshimizu




いま女流棋士最強の里見は、逆に女流の枠を飛び出して奨励会に挑戦した。これも立派だった。女流として栄誉栄華の中にいるのに、女子として初のプロ棋士(奨励会三段リーグを勝ち抜いて四段になったものだけに与えられる称号)に挑むべく19歳で奨励会1級試験に挑んだのだ。奨励会2級の連中との勝負での勝ち越しが合格ラインだった。その相手の中に16歳の加藤桃子2級もいた。

里見は18歳で女流三冠を達成したヒロインだった。日本将棋連盟機関誌の『将棋世界』でもカラーグラビアで扱われている。男子高段者との特別対局も組まれたりしている。
奨励会とは無給の棋士養成所である。華やかな女流三冠とは対照的な場だ。そこで加藤は腕を磨いている。女として初のプロ棋士になるために。

その自分たちの研鑽の場に、女流三冠が降りてくる。敢えてその場に挑んでくる里見も立派だが、迎え撃つ加藤も燃えていたろう。自分は奨励会の一員なのだと。自分には「女流」という肩書きはないのだと。

里見の奨励会1級合格条件は、2級の3人と指し、2勝することだった。里見は2勝1敗で合格し、奨励会1級となる。このとき里見に唯一土をつけたのが加藤桃子2級だった。後述する伊藤沙恵は里見に敗れている。

今回の奨励会員加藤桃子の王座戦登場も里見が作ったもの、とも言える。
林葉直子を始め、女流棋戦を盛りあげるため奨励会と女流のかけもちを許されたものも過去に何人かいた。しかし弊害もあり禁止された。
それが今回、里見三冠の女流と奨励会かけもちを認めるという特例措置から、その他の会員にも全面的に認める、ということになった。これがなければ加藤と伊藤の活躍はありえなかった。



kato2


加藤桃子は父親から将棋の手ほどきを受けている。父は高校教諭。将棋部の指導をしていた。こどものとき、一時奨励会に在籍している。母もアマチュア女流名人戦に出場したほどの強豪だ。父母は将棋を通して知り合い結婚した。そして生まれてきた桃子は英才教育を受ける。すぐに才能を発揮して、父の夢を叶えるため小学校6年の時、奨励会に入る。

その父が、3年前、桃子が13歳の時に急逝した。51歳だった。女流に転向すれば華やかにやって行けるだろうに、桃子はプロ棋士の四段になることにこだわる。「お父さんとの約束だから」。応援せずにいられるか。



今年から規約が変わり、「奨励会在籍の女子は女流棋戦に出場できる」とされた。当然のごとく加藤桃子と、同じく1級に在籍しているライバルの伊藤沙恵は女流棋士を破って勝ち上がっていった。準決勝でふたりは対戦した。トーナメント組み合わせによっては十分に加藤と伊藤の決勝戦もありえた。ヒロインになっていたのは伊藤かも知れない。
(ここまですべて人名を変換できたGoogle日本語入力が「いとうさえ」だけ正しく変換出来なかった。残念。がんばれ伊藤沙恵、もっとメジャーになれ。)

kato4


初戦で、女流王将だった千葉四段を破る。千葉もかつては奨励会に所属していた。二回戦で、里見三冠を破った岩根二段を破る。岩根もかつて奨励会に所属して1級まで昇進している。これは女子の最高記録になる。
この時点での加藤も伊藤もまだ2級。このあとの奨励会の成績で1級に昇級する。

女流棋界の錚々たるメンバーが揃っている。このトーナメントは「本戦トーナメント」である。この前に一次トーナメント、二次トーナメントがあった。タイトル保有者や清水、中井、矢内のような実績のある棋士はみな二次トーナメントから。加藤や伊藤はアマ代表も参加している一次トートナメントから勝ちあがってきた。
そのふたりが準決勝でぶつかっている。ここまで奨励会におけるふたりの戦績は加藤の5勝4敗。ここで勝って6勝4敗となる。
これらを見れば、いかに加藤がいま充実しているかが解る。本物なのだ。偶然やシンデレラガールなのではない。



現在女流将棋界は里見の一強時代だ。清水は勝ちまくっているが、どうしても里見には勝てない。これは大山が全棋士に強いのに中原にだけは勝てず中原時代になってしまったのと似ている。だからもう清水時代の復活はないのだろう。むしろ40代になりながらあれだけ勝ちまくっていることに感動する。

里見以外のタイトルホルダーには、マイナビ女子オープンと女流王位の二冠を保持していた甲斐智美がいる。これはともに清水から奪ったものだ。清水がタイトルを独占していたから清水を負かせるようになればタイトルに手が届いた。その甲斐から女子オープンのタイトルを奪った上田初美がいる。清水が復権するとしたらこのあたりだろう。上田は清水との対戦成績は圧倒的に悪い。だが清水は里見には勝てない。いや来年早々女流名人戦が始まるのにこんなことをいま言っては失礼か。

私は里見の将棋が好きだ。男っぽい力将棋だ。ゴキゲン中飛車での攻めにはぞくぞくする。それでいて、ふっと手を戻したりする。そのへんの距離感が女流では抜けているように思う。これからさらに強くなるだろう。



その里見に勝てる逸材が登場した。加藤桃子だ。これまた男っぽい。ゴリゴリ音がするような攻めをしたかと思うと、詰みなしと読みきって相手に手を渡したりする。今日の決勝戦も最後はそれになった。盤にかぶさるようにして躰を揺らしての長考など、とても16歳の娘には見えない。同じ加藤だから一二三さんの系列か(笑)。

里見も一強時代はつまらないだろう。奨励会入会試験でも敗れた真のライバルが檜舞台に登場してきたのだ。ふたりが争うタイトル戦もそのうち実現する。
でも加藤の狙うのは女流のタイトルではない。父の夢だったプロ棋士だ。女子としてまだ奨励会で段持ちになったのはいない。加藤桃子と伊藤沙恵はいま、手の届く所まで来ている。

これまで奨励会で1級まで進んだ女子は、蛸島彰子、岩根忍、甲斐智美のみだった。林葉、中井、矢内、千葉(旧姓・碓井)らも届いていない。その3人はみな女流に転身した。女子から初のプロ棋士という夢は、加藤、伊藤、そして転入してきた里見の3人にかかっている。

亡き父の夢を叶えるまでの道は遠い。果たしてどこまで登れるか。女流での成績とは関係なく、奨励会員として応援してゆきたい。
今夜は、天国のお父さんもよろこんでいるだろう。お母さんもうれしいだろうなあ。娘が頂点に立ったのだ。
おめでとう。ますますの活躍を!

女子の奨励会における最高クラスは、蛸島彰子が優遇措置を受けて初段になっているが、厳密には最高位は1級である。私はそう解釈している。よって「女子で初段まであがった者はいない」とした。

---------------

kato3

追記・──上記、「お父さんとの約束」と書いたが、この16歳の娘さんは今回の王座戦での記者会見では、きちんと「父との約束ですから」と「父」と言っている。礼儀正しく言葉遣いがしっかりしているのを複数のひとが誉めていた。育ちがよいのだ。亡き父の薫陶か。
現在は静岡県で暮らす母と離れ、母の実家の東京で祖母とのふたり暮らし。高校は通信制で日中は将棋の勉強に没頭している。一緒に暮らすおばあちゃんも今回の優勝はうれしかったことだろう。

リコーは長年将棋普及に熱心な会社だった。学生強豪も数多く入社している。今回初めて自社の冠をつけた棋戦を作ったのだが、あれだけの社会人強豪チームを擁する会社としては遅すぎるぐらいだった。第一期の女流王座にふさわしいひとを得たと思う。望ましい大団円だ。



追記・2──12月13日。今日はさすがにニューヒロイン誕生ということで多くの紙がこのことを報じていた。サンスポでは競馬に強い同紙らしく、デビューから2戦目でG1を勝ったジョワドヴィーヴルに掛けて「強い乙女」を強調していたが、将棋ファンに伝わったかどうか(笑)。



追記・3──女流棋界の現状──2012/1/6

無給の奨励会と対比する文章の綾で「華やかな女流棋界」のようになっているので補足。
女流棋界はたいへんな世界である。対局料が安く、対局数そのものがすくない。対局から得る収入は年に30万円から50万円という女流棋士はざらだ。普及のためのイベントに出て稼いだり、親掛かりのひとも多い。年収1千万以上になるのはタイトルを複数所持する里見三冠クラスのみ。
その辺はわかって書いているのだが、なんとなく客観的に読むと、やたら女流棋界を華やかな世界とかんちがいしているヤツが書いているような気がしたので(笑)蛇足ながら。
関連記事
  1. 2011/12/12(月) 20:30:13|
  2. 将棋
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<「今年を漢字一文字で表す」という無意味 | ホーム | 続続《内柴正人容疑者に対する石原都知事の見解》──デヴィ夫人の意見─賛成して削除された開業医のブログ文章>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://moneslife.blog.fc2.com/tb.php/604-c53a6cc8
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

fc2moneslife

Author:fc2moneslife
2001年に始めたサイトMone's World--http://monetimes.
web.fc2.com/の出張版ブログ【木屑鈔】Boku-setsu-shouです。
2005年からやっていたライブドアブログから引っ越してきました。
FC2のサイトは2007年から利用させてもらっていました。これでやっとサイトもブログもFC2で統一です。
メールは、moneslife2000
@kpe.biglobe.ne.jpまで。

最新記事

カテゴリ

未分類 (0)
大相撲 (32)
落語 (6)
生活 (85)
パソコン (78)
ことば (41)
読書 (29)
音楽 (50)
政治 (200)
テレビ (27)
インターネット (91)
漢字 (6)
オリンピック (11)
マスコミ (46)
NHK (2)
プロレス (6)
世相 (91)
総理大臣 (7)
映画 (21)
スポーツ (8)
園芸 (3)
将棋 (71)
Jazz (7)
競馬 (20)
芸能 (32)
旅行 (10)
格闘技 (4)
漫画 (14)
橋下徹 (16)
タバコ (4)
Rock (2)
中共 (11)
宗教 (9)
週刊誌 (7)
皇室 (9)
地震 (39)
台湾 (5)
石原慎太郎 (10)
CM (2)
きっこ (23)
地デジ (7)
朝鮮 (23)
国民栄誉賞 (2)
ツイッター (8)
女子サッカー (1)
野田聖子 (9)
訃報 (10)
ブログ (11)
飲食 (11)
電王戦 (2)
竹島 (9)
靖國神社 (6)
デヴィ夫人 (6)
酒 (4)
節電 (1)
ホッピー (5)
小沢一郎 (9)
Windows8 (2)
たかじん (5)
島耕作 (1)
物品 (3)
テレサ・テン (2)
選挙 (8)
佐川急便 (8)
猫 (1)
白川道 (1)
サヨク (14)
麻雀 (1)
郵便 (1)
通販 (1)
Asus Memopad (1)
文章 (2)
携帯電話 (1)

月別アーカイブ

カテゴリ別記事一覧

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。