追悼──中川昭一3──「加治隆介の議」のモデル

中川昭一の父中川一郎は北海道出身の初の総理大臣の期待を寄せられていた。タカ派のその主張と豪快な行動発言は"北海のヒグマ"と呼ばれた。
息子中川昭一は東大を出て銀行に勤めるエリートだった。ごつい容姿の父に似ずハンサムだった。不可解な死を遂げた父の地盤を秘書の鈴木宗男が継ぐという。後援会はふたつに割れた。鈴木を嫌う一派に担がれて立候補する。その流れからしてドラマチックだった。日本中の注目を浴びた選挙戦だった。

政治漫画の傑作として名高い「加治隆介の議」の設定に、作者弘兼憲史は中川父子を選んだ。
《与党要職にあった大物政治家の不可解な死。跡を継ごうとする人品骨柄卑しい秘書。ふたつに割れる後援会。一方から後継者として担ぎだされる、それまで政治にはまったく無関心だった東大卒エリート銀行員の息子。悩んだ末の出馬。死んだ政治家の息子と秘書の争いとなる選挙戦。》
まさに中川父子そのものである。さすがに舞台は北海道から鹿児島に移してある。加治隆介には父の跡を継ぐ予定の兄がいて父の秘書をしていた。その兄も父と一緒に殺されてしまう。そうして立ち上がった次男だった。
中川の場合は長男だし父の後継は意識して育ったろう。とはいえ首相を狙う地位の父が57歳で急逝し急遽出馬することになるのは想定外だったはずだ。

「島耕作」でサラリーマン漫画に金字塔を打ちたてた弘兼憲史が、それをしばらく休み、次のジャンルとして選んだのが政治だった。綿密な検討の上に選ばれたモデル。中川昭一の政治家人生は弘兼憲史の描きたい世界と一致していた。当面の敵役となる秘書出身の俗物議員のキャラも申し分ない。主人公を支えるブレーンキャラのためにも東大卒が望ましい。すべてにおいて満点である。もっとも加治隆介の妻はヤクザと浮気する悪妻だったから「がんばれニッポンイチ!」と声援してくれた中川の方が恵まれていたか。(続く)
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  1. 2009/10/08(木) 18:54:42|
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