DieHard 4を見る──スケールアップのつまらなさ

eiga
 原題は「Live Free or Die Hard」とか。Live Free or Dieは有名。それを文字ってのものなのだろう。でもそうなるとことばが矛盾しないか? Die Hardは死とは関係ない。でもいいのか。


 このシリーズのポイントは悪役のキャスティング。今回もそれは成功か。ティモシー・オリファントもマギー・Qもがんばっていた。マギーもなかなかダイハード、「危険な情事」のよう(笑)。


 空港のような限られた場所だからこそおもしろかったのに、今回は外に飛び出した。その分、カークラッシュは派手派手。ヘリコプターから戦闘機まで出てきてロケ用に建設した高速道路をミサイルで破壊しまくる。

 しかしこの戦闘機、いくらなんでもスゴすぎないか。どういう機能でホバリングのように停止し、あんなに小回りがきくのだ。高速道路の橋桁のあたりをもぐっていた。いくらなんでも。
 戦闘機というのは速いけれど全力疾走の猪みたいに急に止まったり向きを変えたりはできない。一度通り過ぎたら何キロもの距離を行き過ぎてから大きく旋回してもどってくるものだ。それが出来る特殊な機種もあるが、このジェット戦闘機はどうみてもふつうのタイプである。なのにあのホバリング。

 でもまあなにが出てこようとジョンは死なないから安心してみていられる。そう思われたらダメなんだよな、ほんとうは。


 一本の井戸が掘れたら、どれほど村の人が助かるか、という世界に行っちゃった私には、もうこういう高級車壊しまくり、一発何千円、何万円する銃弾乱射しまくり、火薬ガソリン大爆発、制作費100億円突破、のような映画は楽しめないようだ。


 世界は矛盾に満ちている。
 べつにハリウッド映画とアジアアフリカの井戸の話にしなくても、今夜も普通人の年収を一晩のホストクラプで使う成金女は身近にいる。それが人間社会ってえもんだ。


 愚痴ってもしょうがない。さあてまた湯豆腐でも食いつつ「剣客商売」を読もう。



【附記】──死ぬ人は死ねばいい

 井戸のこととか、みょうにリッパなことを書いてしまったので附記。
 私は、貧しい国において、夫婦がなんの計画もなく作ったこどもが餓死することは自然だと思っている。それが動物世界の掟である。決め事だ。どんな動物世界でもそうなっている。
 センシンコクで、将来を考えこどもをひとりしか作らなかった夫婦が、コウシンコクのこういう夫婦を助けて10人のこどもが育つ手助けをすることがひととしてのありかた、とは思わない。
 肉食獣に食われる草食獣を、外見がかわいいという理由で保護し、生態のバランスを崩し、草食獣も肉食獣もどちらも絶滅するような状況に追い込むヒューマニズムと同じと考える。


 かといって、こういうセンシンコクが100億円使って作り、世界中にばらまいて、その何十倍ももうける銃器や火薬の映画をすなおに楽しめない。そんな気持ちも芽生えてしまった。


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 70年代、80年代、90年代はこんな映画ばかり見ていた。ハリウッドのこういう作品が、映画なのだと思いこんでいた。ほとんどの作品を見ている。


 しかし現実の私は拳銃に触ったことすらない。自分が銃を手にしてひとを殺しまくりたいと思ったこともない。なのに今まで射殺される人、流される血をどれほど見てきたことだろう。そのことに意味はあるのか。
 そろそろ卒業してもいい。


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【附記・2】──正しく死ぬべきである


 これでこの映画、主人公も主人公の娘も、ハッカーの青年も死んだなら、もうすこし納得できたように思う。生き残るのが不自然だ。
 主人公は次作の都合もあるからしかたないとしても、娘とハッカーは死ぬべきだった。あれだけの状況にあるのに生き残るのは不自然である。
 あちらも死ぬがこちらも死ぬ、それでこそ真っ当なのではないか。


 あちらはぜんぶ死ぬが、こちらはぜんぶ助かる。それは上空から爆弾を落として大量殺戮し、自分たちはそれを無事な地域から見ている白人感覚なのではないか。その白人感覚を支えている身勝手な正義がキリスト教の「十字軍感覚」なのではないか。


 教祖は、右の頬を打たれたら左の頬を差し出せと教えたらしいが、現実の教徒は、右の頬を打たれたら逆上し、相手を殺しまくるようなのばっかりである。
 アメリカ的正義の映画だ。


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【附記・3】──人生を楽しむ?


 生まれてから一度も殴り合いのケンカすらしたことのないひとが、ああいう銃器で人間を殺しまくる映画を見ることは、心にどんな影響を与えるのだろう。
 ああいう映画を見ることによって内なる殺戮の衝動が抑えられて、よい効果があると考えるべきなのか。


 私はスプラッタ映画と呼ばれるものを一切見ない。エンピツ削りに失敗して指先から血を流したことすらない少年少女が、ニワトリを絞めたことすらない人が、人間のはらわたがぐっちゃぐちゃになって血まみれになるのを好み、恐がり、笑い、楽しんでいるのがわからない。

 イラクで首を切って殺された日本人青年の映像を携帯電話に入れてひとに見せびらかす感覚がわからない。もちろん私はいまだに見ていないし今後も見ることはない。


 わからない私は人生の楽しみかたがへたなのかもしれない。でもそれらがじょうずと言うならへたなままでいい。

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  1. 2008/03/05(水) 01:44:36|
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