たまにテレ東の「午後の洋画劇場」を見る。自分に対する褒美である。ずいぶんと貧相な褒美だが(笑)、いまの私にはたいせつなものだ。
毎日これを見ていると引退した年金生活者になってしまう。そんな優雅?な暮らしではない。夜明けから昼までに、そこそこの作業をしたと判断したとき、「今日は見てもいいな」とテレビに向かう。
今日はそんな日だった。
なのにテレビ欄を見たら大嫌いな「難病もの」だった。落胆。
天国の青い蝶
◇04年、カナダ・英合作。ウィリアム・ハート。
余命いくばくもない10歳の少年と、彼と一緒に世界で最も美しいといわれる青いチョウを探す旅に出た昆虫学者の触れ合いを、実話を基に描く。
少年の母親はチョウを見たいと切望する息子を車いすに乗せ、世界的な昆虫学者に直談判する。レア・プール監督。
餘命いくばくもない10歳の少年を見る気はない。
こういう映画を見て、泣く快感に酔う趣味もない。
かつては複数枚のレンタルヴィデオ屋のカードを所持していたが、ここに越してきてからは近くのレンタルビデオ屋一軒のみ。先日それがつぶれたので今は一枚もない。
こんなときのために一店ぐらいは確保しておくべきか。
でもこの「ご褒美」は、安易に見られるテレビだからいいのであって、寒風の中、DVDを借りにいって見るのとは意味合いが違う。
気に入った仕事が出来て、「よしよし、今日はご褒美だな」とテレビをつけると、二十年前に見た気に入った作品をやっていたり、(21世紀に入ってからはほとんど映画を見ていないので)見たことのない2003年製作のアメリカB級映画をやっていたりする。それがいいのだ。いい加減さの楽しみである。明確な目的を持ってレンタルにゆくのとはそもそもが違う。
だからおもしろそうだと思って見たのが大外れだったとしても、それはそれでいい。「ご褒美」と思ったお菓子がまずかっただけである。要は「よしよし、ご褒美だな」の流れであり、テレビ映画は附属だ。
だけど最初から大嫌いな難病ものなのでテレビをつける気にすらならない、は困る。美味しくても不味くてもご褒美なのに、それではご褒美以前である。
今までで気に入ったのは、たとえば西部劇。あれも白人の勧善懲悪ものなので先住民族を悪役にしたものは見ないが、「大いなる西部」「昼下がりの決闘」とか、ひさしぶりに見て楽しめた。
まあまあなのが「エイリアン」等。かつてはわくわくしながら映画館で見たり、新作レンタルを心待ちにしたものだった。今は「バッカじゃないの」の感想。敵をやっつけることでしか燃えられないハリウッド映画が、ナチスもソ連もなくなったから、宇宙に出て行ったとしか思えない。こういう感想の変化は人としての成長なのだと思う。だよね?
そして最悪なのが上記のような「難病もの」になる。見ない。
最善の解決策は衛星放送の契約か。これならかなりの確率で「たまにはご褒美」と思ったとき、気持ちよく応えてくれそうだ。ご褒美をねだる時間もずいぶんと広がりが出る。願いは、あたたかい冬の陽が差す午後に、なんでもいいから映画を一本見てくつろぎたいだけなのである。
衛星放送に関してはとんでもなく時代遅れになってしまった。いま住んでいる集合住宅でも上下左右どこにもアンテナがある。ないのは私だけだ。
仕事がなく朝から晩まで衛星放送の映画ばかり見ているという競馬ライターがいる。毎日3本、時には5本は見ているとか。そんな話を聞いたらますます怖くて契約が出来ない。なんだか自分もそうなりそうで。
狂ったように映画ばかり見ていた時期があるので言い切れる。あれは非生産的だ。数多く映画を見ているとなにかを身につけたような気になるが、実はなにも学んでいない。無為な時間である。こうしてブログに駄文を書き連ねている方がまだ生産的だ。
月曜から木曜、午後一時半から三時半。テレ東の「午後の洋画劇場」。
今度また「ご褒美」と思ったとき、「難病もの」でないことを願う。
Author:fc2moneslife
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