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「王将を歩兵が守る広告」と「福島原発事故相撲諷刺画」と「シャルリー・エブド」のテロ──これは諷刺なのか!?

「王将を歩兵が守る」広告に将棋ファンが総ツッコミ 「完全に『二歩』」 2015/1/ 9 15:03
  
 2015年1月5日発売の経済誌「週刊東洋経済」(1月10日号 東洋経済新報)に掲載された広告にネットユーザーからツッコミが入っている。
   広告は金融・企業情報を分析、配信する「トムソン・ロイター・マーケッツ」(東京都港区)が出稿し、海外へ進出する日系企業向けに規制やリスクなどの情報を提供するサービス「トムソン・ロイター・アクセラス」をPRした。
 
「めちゃめちゃ弱いやぐら」
 将棋をモチーフにしたデザインで、「世界に挑むあなたを守る」と大きく表記されている。「王将」が六方から「歩兵」に囲まれている将棋盤上の様子をイメージ画像に採用、サービスを利用するメリットを訴えた。しかし、ネットではサービスの内容と異なる部分が着目された。
 
   6日、雑誌を見たと思われるツイッターユーザーが「王将をリスクから守るという意味のようですが...。それ、二歩です」と指摘、これに続けて「歩の下に角を打たれたら守りに困る」「めちゃめちゃ弱いやぐらや」とツッコミが入った。
 「二歩」は縦列に「歩兵」を2個配置する反則技だ。ちなみに相手陣地の3段以内に入った「歩兵」は裏返されて「と金」となり、すでにある「歩兵」と同じ縦列に配置してもよい上、十字の方向などにも動かせる(編注:「歩兵」は一歩ずつ前にしか動かせない)。
 
  画像では「と金」になっていない「歩兵」が2つの縦列で重複しており、完全に「二歩」の状態。広告デザインなので、実際の対局ではないのだが、熱心な将棋ファンにはこの「間違い」が見逃せなかった。

  トムソン・ロイター・マーケッツは取材に対し、「(広告の)内容の方を注視していたので、デザインは外注先から上がってきたものを信頼して使った。このような問い合わせは初めて」と驚きを隠せない様子で語った。


http://www.j-cast.com/2015/01/09224941.html

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 問題の画像はこれ。「週刊東洋経済」1月10日号。コピーは「世界に挑む あなたを守る」。敵と相対する王を5枚の歩が守っている。こんな守りじゃとても世界には挑めない。弾丸の飛びかう紛争地帯に臨むのに、周囲に幼稚園児5人を連れて行くようなもの。王様は、ひとマスではあるが、前後左右斜めどこにでも動け、下がることも出来る万能だから、前にひとマスしか動けず、下がることも出来ないこの5人の歩は、守備どころか足手纏いである。いったいどんなヤツがこんなことを思いつくのだろうと、腹立ちを通りこして感心する。

 トムソン・ロイター・マーケットとはなにか。

【トムソン・ロイターについて】
トムソン・ロイターは企業と専門家のために「インテリジェント情報」を提供する企業グループです。業界の専門知識に革新的テクノロジーを結びつけ、世界で最も信頼の置かれている報道部門をもち、ファイナンシャル・リスク、法律、税務・会計、知財・医薬・学術情報、メディア市場の主要な意思決定機関に重要情報を提供しています。本社をニューヨークに、また主な事業所をロンドンと米国ミネソタ州イーガンに構えるトムソン・ロイターは、100カ国以上に約60,000人の従業員を擁しています。

トムソン・ロイター IP & Scienceは、トムソン・ロイターのビジネスグループのひとつです。トムソン・ロイターは、日本では2つの法人登記(トムソン・ロイター・プロフェッショナル株式会社、トムソン・ロイター・マーケッツ株式会社)に分かれています。トムソン・ロイター・プロフェッショナルは、学術文献・特許・ライフサイエンスに関する専門情報を、トムソン・ロイター・マーケッツは、金融情報・国際ニュースなどを各分野のプロフェッショナルに提供しています。http://ip-science.thomsonreuters.jp/press/release/2013/new_appointment/

「企業と専門家のために「インテリジェント情報」を提供する企業グループ」らしい。 
業界の専門知識に革新的テクノロジーを結びつけ世界で最も信頼の置かれている報道部門」をもっているとか。 なら「将棋業界の専門知識に革新的テクノロジーを結びつけ」て「信頼を置かれている報道部門」でもって、もうすこしまともな広告を作って欲しかった。
「100カ国以上に約60,000人の従業員を擁して」いるそうな。 すごいな。だけどそれなりにまともな国ってそんなにないから、現地事務所に現地人何人かやとっているようなのもカウントしているんだろうな。
 今回の広告を出したのは、日本ではふたつの組織になっているうちのトムソン・ロイター・マーケット㈱のほう。 
「金融情報・国際ニュースなどを各分野のプロフェッショナルに提供」するのが仕事だとか。

「(広告の)内容の方を注視していたので、デザインは外注先から上がってきたものを信頼して使った」そうで、どんな「外注先」がこんなデザインをしたのだろうと不可解。今回のこの騒動に対して「『このような問い合わせは初めて』と驚きを隠せない様子で語った」

 世界100ヵ国以上に60000人の従業員のいる国際企業だから、これを制作した日本の広告会社のデザイナーは将棋とは無縁の外国人なのだろうか。それとも将棋を知らない日本人デザイナーなのか。「世界で最も信頼の置かれている報道部門をもっている会社」の作った広告にしてはあまりにひどい。というかほんとうにもっているのか。信じられない。

 アメリカ人のアホがやっている滑稽な漢字ティーシャツや意味不明の漢字入れ墨と同じ程度の問題と割り切るべきなのだろう。問題の根源は同種だ。しかしそんな大きな世界的企業が「世界に発信する広告」となると、だいぶ問題の質がちがってくる。将棋ファンとして看過できない。



 私は、ここに「将棋軽視」というか、日本を軽んずる不快なものを感じる。ろくに調べも勉強もせず、「ま、こんなもんでいいだろう」という。
 もしもこれが「チェス」だったら、「世界に発信するCMだから=チェスに詳しい欧米人から抗議が来たら困る」との姿勢でもっと厳しくチェックしたろう。この広告が欧米でも掲載されるのかどうか知らないけど、たぶんこの将棋駒の姿勢は「和風」のアピールなのだろう。もしもこれがチェスなら、チェスを知らないデザイナーでも、知りあいのチェス好きに「こんな駒の配置でいいだろうか」と問うたり、本をひもといたりしたように思う。つまり「チェスをいいかげんに扱う←欧米人から抗議が来たら困るからそんなことはしない」「将棋をいいかげんに扱う←抗議なんかきやしねえよ。心配ない」という姿勢だ。

 この画像だって、王将の両脇に攻撃陣の飛車角を配置し、両隣を金銀が守るような形だったら、それがルール無視の実戦ではありえないような奇妙な配置だったとしても、将棋ファンは「飛車と角の位置が逆だよ」とか「なんでそんな低い形なのに角がいきなり6筋にいるんだよ」のような将棋的なケチはつけない。玉が飛車角、金銀を従えて進軍する日本将棋の美が世界に紹介されるのかとうれしくなる。この広告に対する意見の根底にあるのは、あまりに初歩的なあやまりである二歩の無智に対してではなく、「なんかこいつら、将棋を軽く見てんな」という将棋好きの直感なのだ。

「『このような問い合わせは初めて』と驚きを隠せない様子」ってところに、なんともたまらん白人的傲慢を感じる。「驚きを隠せない様子で語った」ひとは日本の会社の広報部の日本人だろうけどね。精神は白人だ。日本文化を見る視点がそうである。こんなものが社内で問題にならなかったという時点でこの会社に日本人はいないと言える。

 もしもアメリカの企業が、「日本古来の将棋駒を画像に使った広告を作り、日本市場にアピールしよう」としたなら、こんなことはない。きちんとその辺を調べて作る。それは上記したように日本の制作でもチェスならば、と同じである。この広告から感じる精神は、「世界に提供するのに日本的なものを起用しよう」という発想まではいいとしても、下調べと考慮をしないいいかげんさである。そしてなんともたまらんのが「日本制作」であることだ。それに絡んでいるのは、たぶん日本人であろう。このトムソンなんたらとかいう会社で、もしもアフリカ系黒人がこの広告を作ったなら、こんなことはしなかったのではないか。この件に関する醜悪さは「『このような問い合わせは初めて』と驚きを隠せない様子」に集約されている。最初からきちんと作ろうという気がないのである。いわば「真っ黒なもの」という広告で、墨とタドンと黒人の顔を並べたものを作り、黒人側から抗議されて、「えっ、こんなことしちゃいけなかったの!?」と驚くレベルである。世界100ヵ国以上に6万人もの使用人がいる会社にしちゃあまりに杜撰だ。しかし、こんなことを書いてもこの会社は、「いやあまいったよ、あんなことにまで抗議が来るんだね、インターネット時代はこわいね」なんて酒の肴にして反省はしていないだろう。そういう会社だからこんなものが作れる。

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 下の画像はフランスのサヨク週刊新聞が東日本大震災のあとに掲載した諷刺画。
 福島の原発事故と日本的なものの代表である相撲をからめている。無惨な建築物の残骸が背景にある。しかしあれは原発事故で崩壊したのではない。地震だ。世界有数の岩盤の固い地震のすくない地で世界一の原発天国を誇るフランスにはわかるまいが、こちらは地震多発の最悪の地盤で、想定外の天災をあれだけの被害におさえたのだ。あれがフランスで起きていたらおまえらは滅亡していたぞ。でももしそうなっても、日本人はその被害に対し、こんな画を描くことはないけどな。それが大和民族の品位だ。

 力士はやせこけ放射能により手足は畸型で三本になっている。目玉が飛びだし垂れている。しょぼくれたその表情。それを伝えるこの白人男の表情。「すごいぞ、フクシマのおかげで相撲がオリンピック競技になった!」とセリフにある。こういうのがフランスのユーモアとエスプリなのか。これが人類の守らねばならない表現の自由というものなのか。この画に拍手喝采した日本人サヨクもいたが。

 フランスで同様の事故が起きても、こんな画を載せる日本の週刊誌はない。日本人は礼節を心得ている。他人の不幸を笑い物にはしない。

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 2015年1月7日、フランス時間午前11時半、こういう画を売り物にしている代表的な新聞社が襲撃され死者が出た。その中には上の画を描いた男もいた。度々ムハンマドを裸体やエロに絡めて諷刺し、イスラム側から攻撃の警告を受けていたが、「やれんのか、やれるものならやってみな」と挑発し、今年に関しても「フランスにまだテロがない。1月中にやるのか? まだない。でも1月は31日まであるものな」と書いて起きた事件である。日本的に言うなら「堪忍袋の緒が切れた」になる。侮辱され、怒りで真っ赤になり、ぷるぷる震えている相手の前に胸を出し、「刺せるかよ、刺して見ろよ、そのナイフは飾りかよ!」とやって、ぐさりと刺されたわけだ。

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「度々ムハンマドを裸体やエロに絡めて諷刺」と一般報道通りに引いたが、あれらの画像を見ると、今度は「諷刺とは何か!?」となる。どう考えてもあれは諷刺とやらではなく、「嫌いな宗教の誹謗中傷」だろう。あそこまであれをしつこくやったら、そりゃ事件は起きる。こうなる。まことに筋道立っている。狂信的な行動だが、宗教とはそもそも狂信的なものだ。キリストもローマ教皇も諷刺していた。今回やられたのがたまたまイスラムだったにすぎない。

 しかし日本に関する画でも、どこが「諷刺」なのだろう。単にこれは地震の余波で原発事故が起き、大きな被害を受けた日本を嘲り、はしゃいでいるだけだろう。悪意しか感じない。私はこの画を見たとき、こんなことをする毛唐に天誅を加えられない己の無力がくやしかった。下の朝鮮人の垂れ幕も同じ。だからこそ、あっと言う間に世界一の義捐金を送ってくれた台湾のことを思うと胸が熱くなる。日本を案じてくれる台湾の心の対極にあるのが、下の朝鮮人の垂れ幕やフランスのこの画だ。こういうものの「表現の自由」を守るのが人間の文化なのか。

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 この事件に欧州はいま、「表現の自由を守れ」「テロに屈するな」と盛りあがっている。ひさしぶりにNHKニュースを見た。大勢のデモ。プラカードを掲げて涙ぐんでる女なんてのもいた。正義の闘いのようだが、基本はキリストとイスラムの衝突である。キリストとアラーの名のもとに、何億人死んでいるだろう。ヨーロッパの盛りあがりは反イスラムによるものだ。



 私がこの諷刺画に感じる不快と、上記の将棋駒の画像に感じるものは通じている。

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【追記.1】──300万部発行

 事件後、「自由を守れ」のもとに、今までは印刷6万、実売3万部だったものを300万部発行して世界中に配ったとか。
 (その後、さらに増刷して600万部を刷ったそうな。それはフランス史上最大の発行部数だとか。日本は毎日それ以上の新聞が刷られている。少年ジャンプでも最高時それぐらいあった。)

【追記.2】──フランスの宮崎駿

 フランス人のジャーナリストにこの事件について問うているテレビニュースを見た。在仏のフランス人のジャーナリストはフランス語で、「殺された編集長兼風刺画家はフランスにとって最高の藝術家、日本で言うなら宮崎駿のような存在だったのです」と語っていた。宮崎駿ね、ふーん。 

【追記.3】「許す」と「赦す」──「シヤルリー・エブド」誌が示す文化翻訳の問題──関口涼子/翻訳家、作家 

 本論はフランス語解釈を軸とした「読売新聞夕刊」の下の画の解釈に対する意見(=異見)ですが、後半にあるフランスの集会や盛りあがりに対する被害者の意見は納得出来るものです。以下はそこからの一部引用。ぜひ全文を読んでください。

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つねに資金繰りに苦心していた、公称6万部、実売3万部の弱小誌、しかも紙のメディアという、およそ時代遅れのこの雑誌は、多くのフランス人にもやり過ぎだと捉えられていたし、正面切ってこの雑誌が好きだと言う人はほとんどいなかった。
 
それが、今回の事件以後、突如、全国的に有名になり、最新号は300万部印刷された。政府からの補助金も出たし、個人の寄付も集まった。1月11日に行われた、反テロ・追悼集会では、フランス全土で370万人を超える参加者を数える、フランス史上最大規模の抗議集会となった。
 
表紙の絵を描いたルスは、襲撃事件が政治的に利用されることに違和感を表明し、11日の集会は「シャルリー・エブド」の精神とは正反対だ、と批判している。もう一人の生き残った漫画家ウィレムは、「いきなり自分たちの友だと言い出す奴らには反吐が出るね」と、辛辣なコメントを述べてさえいる。
 
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kanren7
●シャルリー・エブド事件考──9.11と真珠湾攻撃 
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