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藤圭子&沢木耕太郎「流星ひとつ」考⑱──沢尻エリカのふてくされた「別に」と、藤圭子の肝の据わった「別に」

ryusei

 このインタビューは、沢木が若かったのか、それとも意図的なのか、かなり彼の青い部分が出ている。たとえば「お金なんかいらない。お金なんかなくても暮らして行ける。あったらじゃまだ」のような乱暴な意見を沢木がいい、金銭で苦労してきた藤が生真面目に、「そんなことないよ、お金は大事だよ、お金はあったほうがいいよ」と応えたりしている。

 藤はこどものころ生活保護を受けていたことを言い、まったくお金がなかったから、祭りの後の寺社に出かけ、5円玉10円玉を拾えたよろこびを語っている。藤は28歳のこのころ、ろくでもない男に貢いでしまう自分、なんでもひとにあげてしまうことを語っている。「新宿の女」でデビューした頃はまだ処女であり、その歌の中身とは無縁だったが、21で前川と離婚してからは、もろに「新宿の女」の歌詞そのものの恋愛をしていることを吐露している。

※ 

 仕事に関しても、沢木のほうが保守的な意見を言う。藤は「紅白歌合戦に落選した。おおいにけっこう。NHKは自分を必要ないと拒んだ」と解釈する。だから藤は「もうNHKには一切出るのをやめよう」と思うのである。ところがプロダクションの社長やマネージャーは「とんでもない」となる。なんとかまたNHKに出させてもらおうと頭を下げるのだ。そんな連中を藤はくだらないと思う。もしもそのとき賛同して、一緒に行動してくれるスタッフだったなら、自分の芸能人生もちがう展開になったはずと。

 藤の一本気な意見に、沢木が「NHKに出られなくなってもいいの?」と問う。その種の問いに藤が連発するのが「別に」なのだ。ここで沢木から「まったく、女にしておくのは惜しいほど男っぽい」という讃歌が出る。


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 「別に」と言えば近年では沢尻エリカである。しかしその30年以上前に「別に」の元祖がいたことになる。
 沢尻の「別に」は、映画「クローズドノート」の公開の場で出たものだった。司会者から感想を問われる。立場上そつなく受け答えすべき場なのに、そっけなく「別に」と応えたことから紛糾したのだった。

 沢尻はあの噴飯物の朝鮮映画『パッチギ』の、「かわいい朝鮮娘役」で名を成した。しかしまあよくもあの役に沢尻を起用する。きれいすぎる。あれは若作りした柳美里に制服を着せればいい(笑)。容姿的にもそのほうが適役だ。

 沢尻は、美貌のヒロインとしてすでにいくつもの作品に出ていたが、それなりの大作?の本格的主演はこれが初めてだったのだろう。今回調べて、私がレンタルヴィデオで見た「間宮兄弟」にも出ていたと知る。そうだったか。うん、出ていたな、そういえば。
 これは「パッチギ」で名を売った沢尻の勝負作だった。いかにもな芸能人なら、試写会の場で、涙を流して感激せねばならない。なのに「別に」だったから問題となった(笑)。
 その後一転して涙を流して謝ったりしている。だったら最初からやるな。いずれにせよガキのふて腐れの領域を出ていない。でも彼女もまた藤圭子に通じる「芸能界の体質と合わないひと」ではあるのだろう。



 藤圭子話とは関係ないが、この「クローズドノート」ってのはひどい映画だった。当時、あまりに腹立ったので怒りの感想文を書き始めたのだが、くだらんことにエネルギーを使うのはよそうとやめた。これがろくでもない映画だという持論を引っこめるつもりはないが、といってそれは沢尻の責任ではない。沢尻も竹内もきれいだった。満点だ。京都の町並みも美しい。その辺に問題はない。根本的な疑問は、そもそもこの物語が成立しているのか、ということにある。なんともアホらしい映画だった。原作はどうなのだろう。まともなのか。読んでいない。
 沢尻の作品ならこのあとの「ヘルタースケルター」のほうがずっといい。マンガのイメージをよく出している。


 
ryusei

 沢尻のそれと比すと藤の「別に」は肝が据わっている。
 藤が「別に」と応えるのはすべて前記のような他者との関わりの場面だ。藤は一歌手として素朴に歌って行ければいいと思っている。人気を得るために高視聴率のテレビ番組に出たいとは思っていない。大権威のNHKに阿る気もない。芸能雑誌に媚びを売る気もない。ドサ周りの演歌歌手として、そこそこ食える程度のものがもらえて、好きな歌が歌えればそれでいいのだ。マスコミの寵児でいたいと思っていない。マスコミなど信じていない。関わりたくない。ウソばかり書かれてきた。これからもウソばかり書いていろと突き放している。沢木が「そこまで言ってしまっていいのか」と心配するほどだ。

 このインタビューでは、沢木のほうが俗物に成り切り、上手にその藤の侠気を引き出している。
「芸能界を引退してだいじょうぶなの、お金入らなくなっちゃうよ?」
「NHKとケンカしてだいじょうぶなの、NHKに出るってすごく価値があるんじゃないの?」
「週刊誌を冷たく突き放してだいじょうぶなの、機嫌をとっておいたほうがいいんじゃないの?」
 俗的な心配をする沢木に、藤が連発するのが「別に」なのだ。「また出たね、得意の『別に』が」と沢木が苦笑する感覚でインタビューは進展して行く。

 それら、会話のあいまから、沢木が「女にしておくのはもったいない」と感嘆するほど筋の通った考えの一本気な藤に、次第に惹かれて行く様子もまたくっきりと見えてくる。(続く)
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  1. 2014/08/08(金) 13:06:39|
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