週刊誌話──「たけしFriday襲撃事件」のころ──部数衰頽原因は不景気!?

takeshi2「週刊誌話──男性週刊誌部数激減」の続き。



 1986年、ビートたけしの「Friday襲撃事件」というのはまことに時事的な事件だった。
 あのころも行き過ぎたマスコミの取材姿勢を批判し、たけしを支持する意見と、彼を犯罪者とする意見に輿論は二分した。私はもちろん当時「たけし、よくやった!」と思ったひとりであり、いまも彼を支持している。覗き趣味としか思えない写真週刊誌なんてのがバカ売れしていた時代である。私は週刊誌大好きだったけど写真週刊誌だけは受付なかった。逆に、週刊誌は一切読まないけど写真週刊誌は大好きというひとも知っている。好みはひとそれぞれだ。



 
たけしに同情する輿論に対して、林真理子が「ビートたけしは英雄か!?」と『週刊文春』に書いたっけ。たけしと不仲の林はたけし批判の視点。その前、
たけしのやっていた対談番組「気分はパラダイス」に、林がゲストとして登場したが、ひどく盛りあがらない白けた回だった。東京っ子のたけしからすると、林は大嫌いな「成り上り田舎者ブス」だったのだろう。林真理子が13回目(?)の見合いで結婚した話を、「じゃあそのまえの12人はどんなヤツ
だったんだ」と笑いのネタにしていたのだからしっくりはこない。だったらゲストに呼ばなきゃいいのになと思った。



 Wikipedia的なまとめものの表記もたけしにやさしくなっ
ている。「知りあいの女性への取材姿勢に怒り」のような書きかたをしている。「知りあいの女性」じゃないよね。たけしのファンだった女子高生の時から長年つきあって
こどもまで作った20歳年下の愛人だ。あのこどもはいまいくつになるのだろう。1986年に事件てことは、もう成人している。
 たけしは今奥さんと一緒に、離婚した長女の子を育てて、じいちゃん役を楽しんでいるらしいけど、あの愛人の子とは会っていないのだろうか。私生活も含め、なんでもあけすけに語っているようでいて、このことには決して触れない。それだけデリケートな問題なのだろう。

 沢田研二がザピーナッツとのあいだに作った男の子に「ひとり」と名づけた週刊誌記事を読んだ記憶がある。たしか漢字で「一人」だった。あの男の子ももう30代だ。
 それと吉田拓郎の一人娘の彩さん。女性週刊誌的な興味があるのはこの三人になる。どんな人生なのだろう。いままでもこれからも表には出ないからこそ興味が湧く。


 
 
そういや、たけしの浮気に対抗するかのように幹子夫人も浮気して、家を出て浮気相手と同棲を始めたことがあった。そこにたけしが乗りこんで、自分の浮気を謝罪し、奥さ
んに土下座して家に戻ってもらった。土下座してうんぬんは、それこそ「週刊誌で読んだんだけどさ(「時間ですよ」樹木希林)」になる。
女性週刊誌の記事だった。
 浮気相手は関西の無名の落語家。週刊誌には顔写真が出ていたが私は知らない芸人だった。数年後にその落語家がぽっくり死んだときは、たけしが裏の力で消したのかと本気で思った。

 たけしはいま自分のことを、あのころ浮気ばっかりしてたから、いま奥さんと食事に行ってもそのころのことを責められて、奥さんがいきなり泣きだしたりしてたいへんなんだ、と笑いにしているが、それは自分を悪役にすることによって事実を隠す演出であり、たけしのやさしさなのだろう。



 週刊誌の衰頽は「インターネットのせい」と、どこでも解釈は一致している。時代的な流れだ。それはまちがいない。週刊誌の価値が「情報を得る」にあるなら、それはすべて今ネットで得られる。
 もうひとつ、正面からの意見として、「読むに価する雑誌がすくなくなった」というのもある。これもまた正鵠を射ていて、「わざわざ金を出してまで読む記事でもない」になる。

 しかし私はもうひとつ「不景気」も大きいと思う。
 当時の私は一年の半分近くを外国を放浪しているいい御身分だった。ジャーナリストじゃない。旅行記のような仕事はごく一部。ほとんどはただの享楽だった。結果、見事にいまキリギリスになった。
 残りの半分は茨城で老父母と猫と暮らしていた。正しくは外国に行くあいだ猫を預かってもらうために疎遠だった父母を頼ったわけで、そのことにより日本にいる間は田舎で足のなかった老父母の面倒を最後まで見ることになったから、これはこれでいい帰郷だった。

 そのころ私は、複数の週刊誌やスポーツ紙を毎日買っていた。ポスト、現代、文春、新潮、宝石、漫画誌はビッグ、オリジナル、スピリッツ、モーニング、プロレスの『週プロ』と『ゴング』、パソコンの『週刊アスキー』。スポーツ紙は朝はサンスポとニッカン、夕方は東スポとゲンダイ。毎日買うので週刊誌の発売日がない日は物足りなかった。完全に生活のリズムの中に週刊誌がくみこまれていた。あとは月刊誌がある。文藝春秋、『新潮45』、『正論』、『諸君!』、パソコン雑誌はぜんぶ買っていた。月にそういう雑誌代だけで5万円ぐらい使っていた。
 なぜか「SPA!」はあまり読まなかった。「週刊サンケイ」がSPAになったのは1988年。当時「SPA!」に「ゴーマニズム宣言」が連載されていたのだが、私は単行本で買っていた。後に、小林と宅八郎の確執から『SAPIO』に移籍することになる。『SAPIO』も創刊号から缺かさず買っていた。
 サンデー毎日とか週刊朝日なんてのは興味対象外。「週刊ナントカ」という新聞社名のついた週刊誌とは無縁だった。



amidana 
週に一、二回、茨城から東京に出る日は、電車での読物として、ちょっとかための週刊誌(文春、新潮)とやわらかめのもの(宝石、ポスト、現代)、あるいはビッグやモーニング等の漫画誌、ス
ポーツ紙、缶コーヒ-を買った。私に限らず、そんな時代だった。網棚には読みすてられた週刊誌や漫画誌がいっぱい放置されていた。ケチなひとは網棚を漁る
だけで何でも読めたろう。ちかごろは見かけることもない。



 紙メディアの衰頽は事実だが、同時に、そういう「電車に乗るとき、週刊誌を読み捨ててもいいだけのおこづかいがサラリーマンにあった時代」とも言えよう。あるいは「週刊誌に読まれるだけの価値があった時代」と言うべきか。
 
いま電車の中で週刊誌的な情報を得たいと思うひとはみな携帯の画面を見詰めている。それはモバイルギアによるインターネット世界が充実したからでもある
が、キオスクで350円の週刊誌を買い、20分ほど乗る電車の中でそのいくつかを読み、網棚に捨てて行く「贅沢」が出来ない時代ということでもあろう。



 
私は電車の中で携帯画面を見ない。そもそもが通話専用のガラケーだし、そういう契約もしていないから見たくても見られないがあんなちっこいものを見つめる気も
ない。3DSやiPod、モバイルノートは常に携帯しているが万が一の退屈凌ぎ用であり、まず開かない。文庫本や将棋本を読んでいることが多い。
 私がいま週刊誌を買わない読ま
ないのは「あんなものに350円を捨てる気にはなれない」からなのだが、むかしからあんなものではあった。なのに買いまくっていた。それだけ餘裕があったのだろう。よって私にとって週
刊誌を読まなくなった理由は「350円の価値」になる。いま350円だと麦芽100%のエビスビールが買える。百円ショップならみっつも買える。週刊誌よりそっちを選ぶ。



onna 週刊誌に中身がないなんてのは今に始まったことではない。不景気になったとき、理髪店のような「我慢できる習慣」が一気に影響を受けたように、週刊誌を読むこともそれにちかかった、ということだろう。

 生き残るために週刊誌も中身を変えて必死だ。上記「かための文春とやわらかめの宝石を買って」と書いたが、今は文春が「女が嫌いな女芸能人ワースト10」なんて、かつてなら宝石がやったような軟弱企劃を目玉にしている時代だ。立ち読みする気にすらならない。実際しない。でもネットで「1位は和田アキ子」と情報だけは得てしまうが(笑)。
 この順位を知りたいという気持ちはすこしある。しかし週刊誌を買って、その記事を読みたいとまでは思わない。つまりそこが週刊誌衰頽の理由なのだろう。



 
コンビニの雑誌の本棚がさびしい。豊満が魅力的だった女が痩せこけたのを見るようでつらい。とはいえ、毎日週刊誌を買っていた私がいま、まったく
買わないのだから痩せこけて当然だ。
 全種類と言ってもいいぐらい買っていたパソコン雑誌も次々と廃刊になった。これまた私のようなのがまったく買わなくなったのだか
ら当然である。紙メディアの衰頽は著しい。「おれはこんなに買いまくっているのに何故こんなに廃れるのだろう」という矛盾はない。

 経済が復興すれば、生きのこっ
ている雑誌は、そこそこ部数は復活するとしても、紙メディアのもうかつてのような栄華は無理なのだろう。これが世の流れなのか。
 小説もモバイルギアで読む
時代だ。これはもう10数年前から旅先のパソコンで読むために「新潮社の100冊」なんてCDを持参していたぐらいだから抵抗はない。今回モバイルパソコンで読む自炊マンガにも目覚めたし、今後私もそっち方面に走るのだろうか。
 しかし夏場、水風呂の中で読む紙メディアには独特の魅力がある。みなふやけてしまうのが難点だけど。
 これも読書用モバイルギアが防水になればいいことなのか。



shogisekai20135 昨日発売されたばかりの『将棋世界』を読みつつ、私もそのうちこれをiPadで読むようになるのだろうかと考える。(『将棋世界』はすでにiPad用として配信されている。)

 そしてまた最近の充実している『将棋世界』を買うことに逡巡したことはないのだから、週刊誌が売れないのは週刊誌の中身の問題なのだろうと、結論的に思う。どんなに高かったとしても、いいものはみな買うのだ。売れないのは、インターネットや不景気も原因だろうが、魅力が失せたことがいちばんだろう。
 『将棋世界』も、かつて編集方針が気に入らず買わない時期があった。でもよくなったのでまた買うようになった。週刊誌にそれが出来るだろうか。すくなくとも近年の『週刊文春』の芸能路線などは私の好みと正反対になる。それが人気企劃だというのだから縁遠くもなる。

 私の経済状況がむかしのようによくなったとしても、あのころのように週刊誌を買うことはもうないだろう。縁切りは、懐事情とは関係なくあの種のマスコミからの卒業でもあったから。
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  1. 2013/05/03(金) 19:00:01|
  2. 週刊誌
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